自作サイトでも楽器サイトでもないというのに
ax-synthの修理記事は3回目になってしまいました。
内部の配線を一部市販品で交換した件モジュレーションバーを金属パーツで補強した件に続いてということになります。
今回もかなり過激に壊しますので
(同じような処置をする人はいないとは思いますが)
くれぐれも自己責任でお願いします。
さて。
Ax-Synthは左手コントローラ部分が本当に弱い。
普通のシンセと違ってがっつり使うからかもしれませんし、
私がサブギターをやることが多くて酷使するからかもしれませんが。
前の記事で内部配線を市販品で交換出来て、
「これでもう怖いもんないだろうハハハ」とか思ってた矢先です。
鍵盤一つ押しても音がぎゅんぎゅん変わって、
概ね勝手に下にトランスポーズする。
症状からしてリボンコントローラの不調だとすぐに分かったんで、
どのみちもうこのままでは楽器として使い物にならないので
躊躇なくぶっ壊すことにしました。
(お手上げになってから修理に出して間に合うだろうという甘い考え)
電子工作やシンセ自作してる人には有名な話の様ですが
リボンコントローラは薄い二枚の板を接触しないように設置したもので
指で触れた場所のみ二枚の板が接触して通電することで
その二枚の板と接点が分圧抵抗として機能するというものの様です。
物理がさっぱりの私には何言ってんだか1ミリも分かりませんが。詰まるところこの二枚の間が勝手に当たっちゃって
コントローラに触ってないのに触ってる判定になってるんだろう
ということは想像が付きました。
なので、もし自分で修理が可能なモノであれば
「二枚の板の間に空間を再び設けるような処置」だろう
と言う仮定の下に破壊します。
と言うわけで、順当にネジを外して楽器をばらしていきます。
ネックコントローラだけを取り外しました。

はい、さっそく失敗しています。この黒い奴は剥がさなくてよかったです。
単なる指で触る感触向上用の被覆なんで完全に見た目を損なっただけでした。残念。

必要な部分を剥がします。黒い奴のもう一枚剥がしたところですね。
使い込んだせいで白い方に大分黒い方の組織が転写されています。
これが問題あるのかどうかはわかりません。
軽く掃除してみたところ完全に固着していて、
拭いた程度では転写された黒ははがれませんでした。

白い方に黒が転写されているせいもあって、
白い方に、点々、と規則的な点がよく見えるようになっています。
指で触れていない状態で勝手に白と黒が接触しないように空間を確保する
スペーサだと思われます。
音が勝手にうねったり
下方向にトランスポーズしっぱなし
みたいになったりするのは
このスペーサが潰れて不用意に接触するためだ
というのが上で述べた仮定です。
こんな風に点でスペーサが並んでいるとは思っていませんでしたが。
なお見た目からは
これが潰れた状態なのか正常なのかはわかりません。
正常な状態で分解したことはないので…。
というわけで仮定のまま話を進めますが
つまりここにスペーサを新たに設置してやればいいということになります。
上で述べたように
リボンコントローラは(電子工作が出来るような一部の人にとっては)単純なもの
と言うのはわかっています。
そうした自作系サイトを見ると、二枚の板を浮かせるためには
「スポンジが入ったような両面テープ」なんかを使っています。
つまりそういう雑な仕組みでいいという事なので
私も雑に対応したいと思います。

じゃんっ。
ガムテです。
これでスペーサを作っていきたいと思います。

いや作るって程の事はしませんけれど。
カッターで細長く切ってこのように貼ります。
上にべーって、下にべーって、中段は断続するようにしました。
雑。
で、このまんま接着されていたものを元に戻します。
本当にガムテを間に挟んで元に戻すだけと言う処置です。
結果は、
黒い奴を無用にはがして見た目を損なったところ以外は
ちゃんと治ってリボンコントローラは復活しました。
勝手に音がずれることもありません。
めでたしめでたし。
恐らくこの類のリボンコントローラは
今日どんなシンセにもつきものだと思います。
きっと同じ症状になればどれも似たような処置で直せるんだろうと思いました。
おわり。