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【小町_映姫】悲願バナ

2009/02/15アップのもの。

前回あまりに叩かれたので
毒気を抜いてみたけど

つまらない。
非常につまらない。

所詮厨二感性は受け入れられないということか。

こっちは「前より判りやすいですね」だって言われても。
判りやすいのは当たり前。
表現として安易なものにシフトしただけの話で
この文体ではもっと生々しい感情を書きたいのに。
種だ、これは。
ぱかりと割れて出てくるのは揺れる記憶。
蔦と根と血管に覆われた煮凝りの記録。

手とか足とか瞼とか
そういったもの
糸のように撚り集められた白い紐はお腹から出ている。
手とか足とか顎とか
そういうもの
生温いソーダ水を滑り落ちて此方彼方を分けていた。

「」
「わかってますよ」
「」

刈り取る。
刈り取る。
刈り取る。

ここにあっては雑草も同じ。

「あがくな。宵越しの金は持って行けないんだ。置いて行け。」

もぎ取る。
もぎ取る。
もぎ取る。

そして刈ったもの、取ったもの全て
此方彼方を分ける
手とか足とか脾臓とか
そういうものの中に投げ捨てる。
次から次へと白髪に絡め取られていった。

「諸行無常だね」
「」
「はは、らしくないですね」


どんどんよりと漂うのはヘズの吐息。
紫く闇めいて沈み浮かぶ。

絡みつくな。
まとわり付くな。
刈り取った雑草が。
大人しく石を積み上げていろ、幼々。

こいしが嗤う。
からからと音を立てて。
こいしを裏返すとだくだくと脈打っていた。
やわらかい生肉と毛細血管の赤さが生温く笑っている。
そしてそれは凍っていた。
これが吾子を苛む祝福。
先に逝け、先に逝けと
メレンゲの記録に懇願するのだ。

大水だ。大水が来た。
手とか足とか脳髄とか
そういうもの
怒涛と化して綺麗に足元を洗い流す。

どうすれば桃に顔が生えるんだ?
投げつけても効かないじゃないか。
だから1日100人。
でも1000人生える。
1000人の指が汚泥の中から水蜜を得るなら
土塊は法会となる。
それが救い。それが報い。それが業。

だから
どうすれば顔に桃が生えるんだ?
嗤うこいしの合間から覗く髑髏は
干からびた金魚の味がするのに。

甘露、甘露。
刈り取ったもぎ取った
宵越しの命乞いを。
100人で十分だ。
それ以上は死んだ牛を投げ入れられてしまう。
機織女は蛙の様に潰れて死ぬであろう。

股の間から火が生まれた世界。
ただ群生しない彼岸花が揺れている。

「平和ですねここは」
「」
「貴方の成せる業ですよ、四季様。それと、紫様と。」
「」
「……そうですね。この名は酷でしたか。」

赤い粘液の間をぷかぷかと白いものが流れている。
悪臭はなかったが悪意に満ちていた。

桜の木の股からだって、世界は生まれるんだ。
桜の映えるその土の下に、種が
そう、根と蔦と血管に優しく包まれた記録が
眠っていないと何故いえる?

「いつも厳しいのに、なんで」
「」
「違います。
 なんで、紫様には甘いんですか。
 死人を死人にしないなんて」
「」
「当たり前です!」

胸の中と頭の中に
宿木の芽が生えてきた。
吐き気がする。
根が芽が伸びて私を捕まえてしまうと
身動きが取れなくなった。
息が出来ない。
代りにヘドロばかりが口から鼻から目から
だくだくと漏れ出て宿り木を更に成長させる。

「」
「貴方の!せいじゃないですか!」
「」

凍り始める。
私と世界と言葉と光が
どろどろと凍り始める。

こいしが嗤う。
けらけらといやらしく。
嗤い声はどす黒く突き刺さり
糊のような涙を田螺に変える。

「ふざけろ!
天秤は、振り切れたら機能を失う
でも
貴方のやっていることは
天秤から天秤の意味を取り上げることだ!」
「」
「知らない。
知らない!
貴方の汚泥なんて、あたいには関係ない!
だってだってそんなもの、
蝋でできた心臓も同じじゃあないですか!」

腐り落ちた。
腐敗液となって広がってゆく。
手とか足とか目玉とかそういうもの
彼等を押し流す大水に腐敗液は染み出し

「四季様は、あたいの気持ちを、何だと思って……!」

鬼の手が私の心臓を抉り取り
私は血を吐いて倒れる。
吐いたのは血
吐いたのは痛み
吐いたのは呪い
吐いたのは恨み
吐いたのは妬み
吐いたのは

恋心

「」
「いらない!そんな情け!」

目を瞑るな。
敵に当たるその時まで決して目を瞑るな。

「」
「いらない。
貴方の優しさも、
貴方の情けも、
貴方の想いも、
貴方そのものも!」
「」
「あたいは、あたいの意志で……!」

それは肋骨の外に心臓があるようなものだった。
肺の中に給油パイプが繋がって
手足に鼓膜が貼りついたような。
爪を齧ろうとしたが歯が無い。

だというのに
脳味噌はとんでもなくルシフェラーゼで
彼を見ているだけで甘い共感覚。

「」
「好きになすってください。
もう、いいんです。
貝は泳ぎ始めました。」

幼子がプレゼントの包装を散らす。
響く声はギャラルホルン。
足元に広がった神経毒は、薬指から入り込んで
ギンガムチェックの幻視を見せる。
甘ったるく膨らむ龍舌蘭の蕾を容赦なく押し潰すと、
今度は歓喜に咽び泣いた。

「」
「ええ。もういいんです。
これが終わったら適当に裁いてください。
あたいには今しか要らない。
こうして、四季様を求める今しか!」
「」

花開くどころか棒立ち。
だが私はそれを知っていた。

「」
「いまさら、そんなこと」

だからこそ好きだと言うのに。

砂糖菓子だ。
口に含むと甘くてドロリと。

うるさい。
ならば消ゴムのかすにでもすればいいだろう。
ノートの切れ端にでも残しておくからこうなるんだ。
鎌を首にかけて、首を落とすと、脅す。
雑草と同じ。
花も刈り取れば同じ。
揃いも揃ってなんで無痛症だなんて
幻想郷にナメクジウオはいなかったのか?

身体中の血管に液体窒素が駆け巡る。
同時にフロギストンが発生して心臓の中でせめぎあうのだ。
血中反作用ボムが、より私を掻き立てる。
蜥蜴だったころの脳が、スパークして踊る。

「閻魔だからって潔癖でいる必要はないと思いますよ」
「」
「ええ。でも、あたいには、それで十分。」

割り入れる。
アセチレンガスが通り抜けるようだ。
剣山を棒状にしたもの。
それが、わたしの、なかに。

みろ、
あんた達は無痛不感無感動を押し通すかもしれないが
私はこんなに痛い。
体も心も
痛くて痛くて堪らない。

血も涙もなく此方彼方を繋ぐ私は
血も涙も流して貴方と繋がりたがってる
解ってくれなんて言わない。
でも
知ってほしい。

意識が赤方変位する。
ハブとなった感情は
それでもダイオードのように
ちらついて
かがやいて
そしてちっぽけなのだ。

氷砂糖が砕ける瞬間の輝き。
青白く冷たくて仄暗い。
それが、私にはちょうどいい。

船は揺りかごのように。
揺りかごが揺れるように。
揺れる度に痛くて、そして切ない。
蜜蜂の針。
私は鎌を手放す。
もう、抜けないだろう。

「」
「えっちですね。出すことばっかりで……淫乱」

リトマスの混合液が上から下から溢れ出
しかし青ばかりが強調。
もっと赤が多ければいいのに。
赤が多ければ
赤が。
もっと、もっと痛く。

痛くしてほしい。

だのに
だのにどうて
悲しい青ばかりが上から止めどなくこぼれるのだ。

「」
「は?」
「」
「い、いまさらっ」

ふざけるな。
そんなの、反則だ。
痛め付けて焦らして
さんざん苛性ソーダなのに
いきなり?
いまさら?
今さら練乳に放り込むのか。

「」
「勝手に、持ってったつもりとか、ならないでください!
奪った、とか……」
「」
「ちがう!
あたいが勝手に押し付けて、四季様を困らせようって。
でも、
押し付けられる大切なものなんて
これくらいしかなかった!」
「」

そんなのずるいし。
どうすればいいのかわからないし。
なんていえばいいのかわからないし。
そんなのありえないし。

「」
「……はい」
「」
「それって、卑怯です。抗えない」

羽毛でくるまれた宝石。
ダイヤモンドと鉛筆。
ノートの切れ端。
炭素と恋心。

小刀で削る黒い粉は
蝶になって舞えるのか?

宿り木が枯れる。
ヘドロが清水となって川へ流れ出した

手とか足とか十二指腸とか
そういったもの
赤いソーダ水を泳ぐそれらは変わらなかったけど
少しだけさらさらと。

「」
「じゃあ……優しくてくださいね」
「」
「そ、そんなことないですよ。
……かわいいとは、思いますけど」

くるむ。
くまれる。
少しだけの痛さは
たくさんの温かさに押し流されて。

私が嫌いなものを、好きといってくれる。
私の好きなものを、もっと好きといってくれる。

液体窒素を凍らせた固形物が
心臓から消えて行く。
遠赤外線の放物線が私を窒息させた。

苦しい。
苦しい。
心地のいい苦しさ。

痛みは甘く蕩け
ヘズの吐息はメトロへ抜ける。
ガードが溶けて、私はそこを通過してゆく。

「」
「なんか、きもち、いいかも……」

みじん切りにされた吐息に色がついて
蛇がくねる。

船が揺れる。
私の船はそりゃあ気持ちいいもので。
文字通り

あの世へ

「」
「あ、だっ、て、とまらな……」
「」
「四季様だってもうすぐな、く、せにっ」

三途の川の距離は
そして
ゼロへ。

「」
「っく、イくうっ!」

彼岸花が揺れている。
花があるものも
花がないものも。

「」
「えっ、でも」
「」
「それなら、先に言って欲しかったです」

手とか足とか
恋慕とか
そういったもの
押し流されても、残る。
拾い上げたそれを、そっととっておいて、よかった。

私は葉っぱで
四季様が花だ。
でも
きっと会えない訳じゃ、ない。

貴方だけを想っています。

私の彼岸花は、届いていますか。

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