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【読書】村山由佳と灰色

久しぶりに読書をしています。

村山由佳「ダブルファンタジー」
大分長いこと読書をしていなかったのは
大分長いことこの人の作品を読んでいなかったことと等価。
読書といえば村山由佳くらいしか狙い読みしない。
大学終盤から新人社会人くらいの2年くらい、大分本を読んでいたけど
そのときにも別に「この人」ってのは出来なかった。

結局タイトル買いするばかりで
作家読みしないと言う点は
まあまあ、夜伽でSS読むときとスタンスが変らないのだなあと思ったり。

2年くらいしか読書に傾倒しなかったと言うのに
ここ2年くらいまともに本を読んでいなかったことをいえば
実際どれだけ読書しない人間なのかお分かりいただけると思うが、
まあそれはそれとして、2タイトルだけ、本を買ってきて読んでいます。

一つ目が「ダブルファンタジー」
流れ的には「新生村山由佳」的な立ち位置でしょうか
前に読んだのがアダルトエデュケーションで
恐らく同じ系統。

結局買ってから
人の家にいく間の電車の中で半分、
帰りで残りの半分、
便所の中で残り全部
という割合で
二日くらいで一気に読んでしまいました。
(わざわざ読書の時間を作らないあたり
やっぱり読書家にはなれないようです)

村山由佳が今後もこういう路線で行くのかそうではないのかは
置いておくとして(どちらであってもファンはやめないだろうが)
個人的にはアダルトエデュケーションよりもこちらの方が面白い。

と言うのは、
沢山のエピソードが一本の話で書かれているため
キャラクターの心情の変化が読み取れて面白い
というところですかね。
このキャラクター、実は…
見たいなのって、
短編集じゃ表現できない。

この「新生」という冠詞は、
巷でよく言われている言葉を勝手に漢字二文字に置き換えたものなのですが
私個人の印象としては
別にそんなに大きく変ったとは思っていないのです。

村山由佳は確かに
過去作においても純粋で透き通った綺麗な恋心を描くことが多いですが
その中で、核心的な感情や情緒といったものを描くときには
確かに爪を切っていて「あ、深爪しちゃった…」っていう感じに
ドロついたものを深く掘り下げる感があったように思っています。



これは大昔にどっかのエントリで
この小説をギャルゲーやらアニメに染まった視点で見たとき
このシチュエーションってかなり…
見たいな事を書いたような書いてないような。

野生の風のどろっとした感じ。
海を抱くの女性の奔放さ。
BadKidsで特に感じた、体で惹かれる女性の姿。
全ての雲は銀のの兄妹の淡くも確かな未達感情。
そしてもっと言うのであれば、
天使の卵で性行為に至る際の春妃の
「あなたが汚らわしいと思っているものを欲しいと思う私は汚らわしいものなの?」
という旨の科白(正確には覚えていない)
もそうだ。

村山由佳の女性像の根底には、
いつだって強くてキツい女「性」があったと思ってる。
それを綺麗な話で包んで妙に甘酸っぱく見せているのだから
これは凄いなと思って
だからこの人の作品が好きなんですよね。

だからアダルトエデュケーションであるとか
今回読んだダブルファンタジーに関しても
それは確かにスタンスが強く変化しているのだから
同じものとして読むことは出来なかったけれど、
そうそう大きく別人と化したような印象まではない。

いってしまえば
扱うネタが変っただけで、
今までどおりであるか、もしくは別の何かを手に入れた。
といった印象だった。

その辺が隠されていたのは
村山由佳が、恋を描くのに何故か男性視点が多かったため
それがカムフラージュされていたのではないかと思う。
決まって女性視点のときは、強い女「性」が描かれていたような記憶がある。

ええ、信者です。
信者怖いですね。

しかし、欲をいうなれば
序盤で登場した人物を後半の何らかの出来事で絡めて欲しかった。
折角短編ではなく長編なのだから、
エピソード同士の絡み合いは出して欲しかったかなあ。

今までの作品は多くが
一つのテーマを一冊で書くことが多かった気がするが
今回は短編を串刺しにして一冊にした印象が拭えない。
終わり方が尻切れトンボなイメージがあるのも否めない。

この辺は何と言うか
書きたいことが多すぎて整理が出来ていないのか
それとも漫画の連載のような
短いスパンで無理やり何らかのオチを求められていたのかと
思ってしまう。

その辺、許せるのであれば、いい作品だといえますかね。

これは恋愛小説なのか
官能小説なのかと言うのがよく言われていますけれど
これのどこが官能小説なのか。

かといって消去法的に恋愛小説とするわけでもない。
恋愛小説といえば綺麗で淡く、そして何故かカラダ抜きみたいなところがあるけれど
そんなの恋愛観の一つでしかないわけで。
恋心と性欲とどちらが先かなんて、
決まっちゃいないんだとおもう。

ってのはまあ
最近夜伽でSSを書いている自分のテーマでもあるのですけれど。
「性欲を伴わない恋心なんて」
とtweetして非難囂々と浴びたこともある訳ですが
私はそれでも肉欲から始まる恋も恋愛だと思っています。
むしろ友愛の延長として存在しえるものを恋愛とするのは
何らかの混同を起こしそうで少し嫌だと思っているくらいです。

だから私の目には
・至って村山由佳の小説だったし
・至って恋愛小説だった
と思っています。

ただ、
かなり人を選ぶことは間違いないですね。
ダブルファンタジーもそうだし
アダルトエデュケーションもそうだし。

下世話な話で言えば
そそわと夜伽の違いみたいなところを
渡り歩こうとしているように見える。
これはまた奇しくも私が望むものでもあって
「新生((笑)」となって新しい方向をむいたことについて、
私自身は
この人のファンをやっていてよかったなあと思う次第です。

アダルトエデュケーションやダブルファンタジーの方法論を進化させるのであれば
絶対に
「官能小説よりエロくないし、純愛小説より汚い」
っていうところを歩く羽目になる。
現にそう言うところで支持を得ている作家もあるだろうし
別に特別なことではないのだろうけれど
私としてはどこに向かうのかも含めて楽しみです。



ヨルムンガンド的にいえば
「ひたすらに灰色」であるココだろうか。
少し違うな。
間に重心を置くのか
両方の足を広げて重心を置くのか。

そうか、ああ、そうか。

村山由佳がどこに向かおうが私はファンであることに変わりはないだろうし
どこに重心を置こうと構わないのだけれど
今こうしてつらつらと読書感想文を書いていてふっと出てきた
ココ・ヘクマティアルのひたすらに灰色であると言うスタンス。
これを恰好いいと思う自分を内面に飼っておきながら
どうしてどちらでもないことを恥じてしまうのだろうか、私は。

灰色であることを自分へ肯定できれば、
何か変われるかもしれない。

とはいえそれは非常に難しいのだろうなあ。

灰色であると言うことは
黒と白の両義についてその重さを見極める必要がある。
0,0,0で或る必要も255,255,255で或る必要もないが
現在両サイドにある白黒の値を見抜いてその中間にいなければならない。
そして何より、
全ての事柄に対して対立する二極を定義しなければならない
と言うことか。
これは多いに視野を狭める可能性があるなあ。
ああ、難しいなこりゃ。




もう一タイトル、
タイトル買いした本をがあるのですが
結構分厚いのと、
長時間を要する外出がないこと
原稿が溜まっていて読書をする精神的猶予がなかったこと
この本の中盤までが面白くない
ことが起因して
まだ半分程度しか読めていません。
でも大体1/3を読み終えた辺りできな臭さが高まり始めていて
だんだん面白くなってきそうな感じです。
その読書感想文はまた後日。

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