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【永琳 慧音 うどんげ】期日遅延に対する、バレンタインデー強制執行のこと

東方夜伽話に投稿しました。

「期日遅延に対する、バレンタインデー強制執行のこと」


バレンタインSSってのを
書いては放置し書いては放置し、と
もう何年にもなっていて
その度に「まあ来年までになんかかけばいいや」
とスルーしてたんですが
今年
携帯電話の執筆途中経過をあさったところ
未完成のバレンタイン向けSSが2本になっていた上に
一本が全く記憶から抜け落ちていて
これはまずいなあと。

そもそも夏に冬の話書いたり
冬に水着の話があったりしたっていいんですから
時期なんか気にしないでさっさとかいていればよかったんですよね。



前回のSSになにやら長い批判コメが来ているようなので
それに対して思うところもいろいろあったんですが
それと真正面から向き合う
(アレだけの長いものをくれたのだから、真正面から向き合ったその上で、作品対感想の立場を崩さない返答をするのが礼儀だろうと思いますし)
その前に
とりあえずコレをやっつけちゃいたかった。

とはいってもバレンタインSSの着手以上完成未満なSSは
もう一本あって、これをどうしたものかとも思ってはいるのですが…。



あと、別に強烈な内容というわけでもないので
前書きはやめようかと思ったんですが
やっぱりタグに作品の要素をバカスカ入れてしまうと
色々と呼んでもらう前から分かってしまうので
個人的にあんまり望ましくなく
だからと言って何もしないとまたうるさいので
やっぱりキャラ名だけタグにして注意喚起はタグではなく前書きですることにしました。

なんとも面倒くさい話です。






以下、アーカイブ。
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期日遅延に対する、バレンタインデー強制執行のこと






「さーむーいー。暦の上ではもう春なのに、さむいー」

 蓬莱山が炬燵に下半身を突っ込んだままどてらを着て、その襟を頬まで立てている。手も下ろして炬燵の中に潜り込ませ猫背になって、春とはいえまだ寒い天候に恨み言を吐いていた。

「確かに、ここ最近は時期の割にやたらと寒いな。昔にもこういうことがあったが、別に春が足りていないわけでもないようだし」

 私も私で、確かに寒いと感じている。懐に懐炉を忍ばせ、肌着も一枚増やしてもとても平気とは言い難い。

「懐炉は使ってるか?」
「もこと永琳がくれたやつ?つかってるよお」

 蓬莱山は胸元からその懐炉を取り出して、ほら、と私に見せてすぐに元の場所に戻す。
 この懐炉は私も受け取っていて、今も懐に入れている。木炭粉と桐灰の混合物を粉を紙で巻いた懐炉灰に点火して、それを通気口のある金属筒に入れて携行するものだ。
 炭は妹紅のもの、木炭粉と桐灰の配分量や懐炉の器自体は永琳の設計で、これはなかなか便利なものではあったが、それでもよく途中で立ち消えてしまって、私もその度に寒い思いをして再点火する始末。
 とにかく、今日は、寒い。

「姫。毛布でもお使いくださいな」

 永琳が寝室から毛布を持ち出して蓬莱山に渡す。彼女は手を出すのも寒くて億劫という風に、ひょろりと伸ばされた手でそれを受け取り、どてらの上から更に毛布を被る。

「足りてない。」
「まだですか?でしたら熱した火鼠の皮衣でも着るしかないんじゃないですか?」
「違うわよ、春が」

 以前、時期が達していながら春が足りず冬が終わらないという事件があった。春を収集して何事か企んでいる者がそうしたらしいが、今回はそうではない。辺りを見渡しても春は十分に行き渡っているし、あちこちに木炭配達に行っている妹紅も、薬売りで里に顔を出している鈴仙も、春が足りていないとは言っていない。
 単純に、「最近寒いね」というヤツらしかった。

「春なら足りているそうだぞ。妹紅も、鈴仙も、そういっていた。寺子屋に行く最中も春の姿はしっかり」
「違うってば」

 春は足りていると伝えようとすると、ダダをこねたような声で否定してくる蓬莱山。
 炬燵の天板の上においてある丸型の紙筒箱を寄せて、そのふたを開ける。中には「ちょこれーと」なる甘味が入っていた。もう殆ど食べ終えてしまっているが、残り幾つかある分のひとつを摘んで、彼女はそれを口に運ぶ。

「二人とも、チョコ、あげたの?」
「はい?」
「ばれんたいんでー、とかいうやつか。どうにも新しい風習には疎くてなあ。昔からある慣わしなら過去の集積でよく知っているのだが」

 女子が想い人にその「ちょこれーと」を渡してその想いを伝える日、ということらしい。それを言うのであれば、蓬莱山が今食べているのは、その際に貰ったものらしいと覗える。

「それは、妹紅から貰ったのか?」
「うん。っていっても、手渡ししてくれてないんだけどね。起きたら枕元においてあって。くりすますと勘違いしてるんじゃないかしら。可愛いんだから」

 あー、ゆっくり食べてたけど、いよいよこれが最後かあ、と今口に放り込んだ分の包み紙を綺麗に畳んで懐にしまう。

「なんだか、随分"あったかそう"ですねえ」

 永琳が皮肉を言うと、蓬莱山がにやりと笑う。

「そ。もこと私は十分"春"なわけ。ここにいる二人は、どうなのかしら。ああ、それにしても今日は冷えるわね、もう暦の上では春だっていうのに、まーさむいさむい」

 そういうことか。
 わざとらしく自分の肩を抱いてさするような動きで私と永琳を見比べる輝夜姫。ほんとうに、蓬莱山のこういうことの回りくどさは、風流を通り越して呆れるしかない。

「もう私達はそういう年じゃあないしなあ。なあ、永琳。」
「そうね。いいわあ、若い二人は」
「もう時間の概念なんて無い人達が、何を言ってるのよ。何でも新しいこと楽しまないと、この先飽きちゃうわよ?うどんげとてゐなんか、交換してたんだから。かわいかったなあ」

 居辛い話になってきた。私はこういう浮いた話が苦手だった。勿論、永琳と、まあ、そういう関係ではあるのだけど、私はその辺に触れられるのがどうにもむず痒くてこそばゆく身を捩ってしまい、巧く会話を出来なくなってしまう。永琳の方も同じで、表情自体は余裕、物腰にも焦りはないが、いつもひょいと巧く回避したり逃げてしまう。

「はいはい、お熱い事ですね。チョコが熔けてしまわないように気をつけてくださいね。」

 永琳は、蓬莱山のそれが半分演技であったとしって毛布を剥ぎ取って持っていってしまう。

「あー、ちょっとぉ、寒いのは本当なんだってばー。おお、愛しの毛布ぅ、毛布ぅ」

 剥ぎ取られた毛布を愛する誰かとの別れのように惜しむ蓬莱山に、容赦なく襖を閉める永琳。怒っているようだが、アレは逃げ口上だな。
 私はくっくっ、と笑って彼女と同じく炬燵の中に足を埋める。

「妹紅とは、うまくやっているのだな」
「色々、あったから。慧音センセだって、そうなんでしょ、永琳と」
「うーん、まあ。妹紅と姫様ほどじゃあない」

 そもそもこの家にいる六人はどうにも複雑に入り混じった人間関係で成り立っている。閉塞的で、理解し難い、ある意味で背徳的な、でも牧歌的な共同体を形成していた。
 これでも平和でバランスの取れた家庭になっていると思っているが、寺子屋で子供達にモノを教えるときには、ちょっと障害となる。こんな特異な家にいる自分を、普通の家庭に育っている子供達に見せて、何を示せるのかと言うと、なかなかどうして心苦しい。せめて元服して一歩二歩歩き進んだ者にしか、これを見せるわけには行かない気がしていた。
 だから、あまり人前で永琳と一緒にいることはなく、家で、しかも二人きりのときにしか、そういう時間を持てないでいる。
 蓬莱山が指摘したのは、そうした「二人であることへの遠慮」に対するものにであったことは、間違いないだろう。
 何もせずだらだらしているようで、見るところは見、指示をするところは指示し、動くところは動く。
 働き過ぎになりがちな鈴仙を屋敷に閉じ込めてみたり、いつも上ばかり見てるてゐに月にいた頃に見えた地球の話をしてみたり、塞ぎ込みやすい永琳に駄々をこねて見せて世話を焼かせてみたり。堅物の私には、こうしてたまに灸が据えられる。
 月の執政府とは未だに確執があるようで、執権姉妹が永琳に対して特別な感情を抱いていることや、鈴仙が戦争時に不当な扱いを受けたことをカードとして冷徹に利用することもある。鈴仙の第二広域パッシブリコグニションから得られる情報には常時目を通しているようだし、紅魔や各神聖宗教コミューンとの政治的関係においては毎度細い線を渡り切る手腕も見せる。本人やその周囲の狭い範囲においては、死によって消滅することのない者ばかりが集まった集団だが、実効支配下にある里や人民の生活を守ることには意識を払っている。
 爪を隠すばかりで、明晰な姫だ。

「うどんげー、お茶いれてよー。私寒くて炬燵出たくなーい。はやく、はやくー。えーりんは毛布もってっちゃうし……ああん、懐炉消えてるう。慧音センセ、火ぃつけてきてよ」

 普段はとてもそうは見えないが。







「すばらしい、子は師を超えるわね。鈴仙・ウドンゲイン・イナバ三佐、報告を。」
「は。目標は月帝歴53787年21日5月34時46分、西暦変換で2021年2月28日23時12分にDMZを退去。想定の状況βに該当と判断し、同日24時00分、所定通り変更なく定刻より作戦行動を開始。」
「な、長くなりそうね……」
「――現在に至ります。」
「えっ、あ、ハイ。短かった」
「20文字くらいで姫が早々に眠そうになさったので10000文字ほど省略いたしました。」
「優秀よ、うどんげ。それを全部報告していたら、てゐからあなたがもらったチョコを溶かしておっぱいチョコに作り替えてやるところだったわ」
「ご、ご慈悲を……」

 手の自由が利かない。
 いつ、何があった?
 アーカイブを検索するも、まだ定期バッチ実行前で外部観測ヒストリーを取り込めていない。
 後ろ手に拘束されているが、手錠や縄ではなく指錠によってであるところを見ると、犯人は少なくとも素人ではないようだが、目の前にいる二人と会話の内容を聞いて、情報収集に躍起になるのをやめた。

「姫様、これは何事だ」

 私が問うと、鈴仙が一歩前に出て蓬莱山の前にはだかる。

「あなたは我々の捕虜となりました。我々は、カダ=ス協定に準拠した方針に則り、一部の例外を除いて、協定の内容に反しない限り、あなたの安全を保証します。まあ、私は月面戦争時にはそんな協定無視されて、随分"いい目"に遭わされましたけど」
「あー、鈴仙、何の悪戯なんだ、君らしくないじゃないか」

 私が言うと、鈴仙は、長い金属筒――それは銃という飛道具で、弓矢を圧倒する威力を持つという彼女の固有武装だ――を私に向けてきた。

「質問は許可を得てからにしてください。」
「……許可を得ようにも挙手ができないじゃないか。学校で習っただろう、質問するときは手を挙げろって。」
「こうして銃を突きつけられたら手を挙げるってのも、大人は子供に教えた方がいいでしょうね?」
「だから、挙がらん」
「口で、どうぞ。私の捕虜の扱いはまだマシな方ですが、私が知りたいことを喋ってくれなかった方は、いません。」

 なんだかよくわからないが、鈴仙の口調には機械めいたものがあり、殺気自体は本物だ。その向こうにいる蓬莱山のへらへらとしたいつもの悪戯じみた笑いは、しかしいつもあの薄ら笑いから、突如として冷えた剃刀のような言動を繰り出すのが、あの姫であることを考えると、何の参考にもならない。
 何を、企んでいる。

「なら質問をしても?」
「姫?」
「質問を許可する。」
「質問を許可します。」

 鈴仙は銃口を私のこめかみあたりに向けたまま、質問の許可を伝えてくる。こいつがこれほど強い殺気を向けてくるのは、私が初めて永琳と二人でいるところを彼女に見られたとき以来だったかもしれない。
 質問を許可されて、私は必要な質問を一つだけすることにした。

「何が目的だ。」
「目的。そうね、この作戦行動は、我々が八意永琳と上白沢慧音に対して"春"を求めるものであり、バレンタインデーの強制執行を目的としている。これは単なる示威行動ではなく、誠意と実効を要求するものだ。」

 ああ、やっぱり、そうなのか。

「自慰行動だろうに。」
「それは彼女の体に聞いてみないとわからないわ。イナバ三佐、準備を。」

 鈴仙の殺気が、しかしほかでもない悪戯に使われていることに疑問は拭いきれなかったが、蓬莱山がそういうのだから、嘘はないだろう。これはこれで勘弁してもらいたい状況ではあるが。

「ひ、姫、やはり私、師匠に手を上げるなんて」
「もうここまできて、今更引き返すの?あなたは十分にやれているわ。現に上白沢慧音を見事目を覚ます前に捕縛した。見事だわ。八意永琳だっていっとう巧く成功せしめたでしょう?」

 蓬莱山が言うと、鈴仙はいい加減肩を落として嘆きの声をあげた。

「血ぃ吐くほど訓練させられて、否応なく身につけられた殺しとサバイバルの技術を、こんなネタにばっかり使うの、だいぶ切ないんですけど!」

 鈴仙は銃をしまって泣き言を言い出すが、蓬莱山は聞き入れない。

「なによ、うどんげ。こないだてゐの落とし穴に怒って"罠で仕返しするんだ"とかいって、ベトコンも真っ青で近寄らなくなる類のを仕掛けまくって、てゐを殺しかけたじゃないのよ。」

 ああ、あのときは私達も巻き添えを食って部屋から出られなくなった。
 「えー、解除なんてできるように作ってませんよー。っていうか解除される前提の脆弱性なんて罠に持たせる意味ないじゃないですかー」と言う鈴仙に永琳が目を覆うような仕置きをしている裏で、じゃんけんに負けた妹紅が罠の数だけ死にながらそれらを全部解除していたが、そいつはいつもの妹紅と蓬莱山の殺し合いよりもひどい有様だった。

「あ、あれは、そのですね」

 なかなか乗り気にならない鈴仙に対して、蓬莱山はしびれを切らしたように、言い放つ。

「もう。捕虜がどうなってもいいのかしら?あなたの大切なチョコが、てゐがくれたままの可愛らしい姿でいられるのか、それともおっぱいチョコに作り替えられてしまうのか、おちんぽチョコに変身するのか、あなたの誠意次第よ?」
「コホン。これより、八意永琳並びに上白沢慧音へのバレンタインデー強制執行を開始する。」
「翻すの早」

 ばれんたいんでー、から早一月近く経とうというのに、鈴仙のチョコは姫様の手中とは。哀れ。
 鈴仙の再忠誠に落胆していると、蓬莱山が指を鳴らす。それを合図にふすまが開き、そこにいたのは、案の定というか、永琳だった。

「んぁ、んうっ」

 木造平屋建ての永遠亭には、柱や梁が縦横無尽に走っている。永琳が、あの日月を隠した空間魔術のミニチュア版をインスタレーションしていることで、広さも高さも実空間に対して詐称していたが、それ故にその数も長さもただの平屋建ての屋敷とは言い難い有様となっている。
 その梁の一本に赤い紐で吊されるように縛られて、目隠しに猿轡を咬ませられ、さらに部屋の奥へと延びるコードにつながるヘッドフォンをかぶせられた永琳が、半裸にはだけた服の上から赤い縄をかけられた姿で、その余りに蠱惑的な肉体をくねらせていた。
 その肌は既に白から薄桃色に上気しており、猿轡に半開きを強制される口の端からは、だらだら涎がこぼれている。時折体がぴくんと跳ねるように反っては、その涎は畳に滴の染みを作り、声ともわからない呻きを猿轡の奥から漏らしていた。

「あれほど熟れた女体が、持て余しているなんて。慧音、おまえはちゃんとあの肉体に応えてやる義務があるんじゃないのか?」

 後ろから現れたのは妹紅だった。ひどく邪悪な顔をしている。アレは、輝夜姫と殺し合いをしているとき、もっというなら試合に勝利してその肉体を"複数の意味で"貪っているときの顔だ。

「妹紅、おまえまでグルか」
「そりゃあ、こんな面白そうなことに、荷担しない方が勿体ないだろう。なあ?それに、慧音が堅物でなかなかサセてくれない生殺し感は、私もよくわかってるつもりだ。」

 そういってなにやら腕を動かしたかと思うと、永琳の体が大きく震え跳ね捩れて、獣じみた声を上げて、涎をまき散らした。

「オ゛、っご、んほぉおおおォ゛ん♥」

 猿轡に遮られた声は、しかしヘッドフォンによって自分の声の大きさを認識できないことによって、聞いているこちらが寒気を感じるほどに異常で、大きく、狂気じみていた。
 妹紅はひゅるりと右腕を翻し、それを自分の顔の前に持ってくる。手首まで何かの液体に塗れた表面は、蝋燭の明かりを跳ね返してぬらぬらとテカっている。指を開けば指と指の間にその粘液は糸を引き、指の股に垂れて消えた。
 妹紅は手首から掌にかけて、舌を延ばしてそれを舐め取る。不適な笑みに、一縷の嫌悪感を滲ませて口に含んで、私を見た。

「臭い。持て余し焦れた女の匂いと味だ。慧音、永琳が可哀想じゃないか、こんなに匂うまで永琳の"オンナ"を放っておくなんて。なあ?」

 そういって、目隠しにヘッドフォンで今置かれている状況を全く察知できない永琳の、あそこへ、もう一度、拳を、突き入れた。

「んっぶ、ごべ、んお、お、んごおおおおおん♥」
「こんなに緩いなんて、まあ、慧音のあの極太を受け入れてりゃ、イヤでもガバマンになるよなあ。それはそれで楽しめていいじゃないか。慧音、永琳のこのエロ過ぎる体は、お前のせいなんだ。ちゃんと責任を取ってやるのが、甲斐性ってモノだろう?」

 妹紅の拳を受け入れた永琳の淫裂は、しかし溶けたようによく伸びてそれをしっかりくわえ込んでいる。余りに容赦のない妹紅の拳の動きは、永琳の下腹部を膨らませたりへこませたりしているが、そのたびに永琳の下の口は涎を大量に吐き出して、上の口からは獣が喜びの声を挙げるみたいな下品な音が響いていた。

「え、永琳」

 私を拘束するのが、動けそうで圧倒的に動けない指錠であったのも、鈴仙が私に銃口を向けていたのも、半分くらいは笑える冗談ではないことを意味していたのかもしれない。

「もこ、ヤリ過ぎじゃない?うどんげがヤル分残しといたげてってゆったじゃん」
「悪い。つい、永琳の体がいいエロ反応するもんだから、ノっちまった。」

 腕が使えず上半身の自由が利かない状態で、立ち膝のまま永琳の痴態をみていた私の前に、妹紅は立ち、私の前髪を掴んで上を向かせた。

「もこう、これは」

 と、言い掛けたところで、眼前にあるそれを認めてしまった。
 妹紅の股間、袴の下で、強烈に自己主張しているそれ。視覚が五感に干渉し、口の中にカウパーの味、雌股間に硬い感触、鼻の奥に精液のにおい、肌にかけられた温いヌメり汁の感触を、再生する。
 この屋敷で永琳達と暮らし始める前に、すっかりと体が覚え込んでいた妹紅の、感触、匂い、味。目の前の永琳の淫影ですっかり高ぶった性欲が、矛先を向ける相手を捜している。

「いい目だな、慧音。あのころを思い出すよ。お前も真面目な"先生"として、随分持て余してたじゃないか。同じなんだよ、今の永琳は。昔は輝夜とよく寝ていたみたいだけど、輝夜は私が奪っちまったからな。」

 鈴仙が銃身を下げぬまま目配せをするとてゐが現れ、楽しそうな表情で永琳の猿轡だけを外す。大音量ヘッドフォン、目隠し、体を吊し上げる赤い紐は依然そのままだ。
 猿轡が外れると、口の中に溜まっていた大量の唾液が嘔吐物のように畳にこぼれ、畳の表面を叩く乾いた音を立てた。
 そしてそれと同時に、まともに口が使えるようになった永琳は、私の側から移動した妹紅が目の前に差した肉棒を嗅ぎ付けて、舌と唇で探る。まるで触手のようにそれを探し求めて伸び蠢くそれが妹紅の先端を探り当てると、こんどは身を乗り出して唇で包み込むようにくわえ込んでいく。
 だが、妹紅の肉棒の半分が永琳の口の中に入った辺りで、その動きは止まる。

「ちがう、これ、慧音のじゃない!だれ!?うどんげ?」

 少し口に含んだだけで、それが私のものではないと見破った永琳。
 少しだけ、うれしかった。

「すご、おちんぽで慧音センセのじゃないってわかっちゃうの!?」
「こんなところにまで天才の片鱗か。調教し甲斐がありそうじゃないか、慧音?」
「うう、私だって、挿入れてもらったらもこのだってわかるんだからぁ」
「はいはい。それより今は永琳だろ?ほら、永琳がお待ちかねだぞ」

 妹紅がそういうと、因幡が私の体を押して、永琳の傍へ。もう、状況にあてられて勃起してしまっているぺにすの先端が、永琳の鼻先へ。
 永琳はすんすんと鼻を鳴らして、まるで犬みたいにその匂いを嗅ぎ、それから私のものを口に含んだ。

「ん、うんっ、ぁ」

 永琳の唇の感触、唾液の暖かさ、舌のざらつき。思わず竿に力を入れてしまうと、じゅわっ、と先走りを押し出してしまう。永琳の舌はすかさずそれを掬い取り、口の中で転がす。その後で、唇、舌、頬の内側と、口の中全部を使って、私の肉棒を包み込んできた。

「お、おぉっ、えい、りんっ」

 思わず声を漏らしてしまう。周りで、妹紅と輝夜姫、鈴仙に因幡がみているというのに、私は無様な声を上げて永琳の舌使いに翻弄されてしまう。
 私も、永琳の体を求め続けて焦れていたというのだろうか。拳一つ程度の長さしかない粘膜同士のこすり合いに、私はどうしようもない快感と幸せを感じてしまう。

「ぷぁ、やっぱり、慧音だったのね。ごめんなさい、久しぶりだったから、間違ってしまって。ぁむ……」

 永琳が再び私のものを口に入れ、今度は、その正体を確かめようとしていた時と違い、容赦のなく私の弱点を責め立てる強烈なフェラチオを見舞ってくる。

「これ、欲しかったのよ?慧音ったら、いっつも気のない素振りで、相手してくれないんだもの。でも、今日はスゴいのね?寝てる間に、き、緊縛だなんて、私、姫以外にされるの初めてで」
「ちょっと、人の過去をぺらぺらしゃべらないで、よっ!」

 蓬莱山は、永琳の肉付きのよい白い尻に向けて、勢いよく平手をはる。すぱん!と乾いた音が部屋中に響きわたり、それは鈴仙が高感度センサの耳を背けるほどの大きさ。
 真後ろからではなく、わざと私の手が届く距離の腰と尻の間位を叩く。私がやったように見せたいのだろう。

「んあ、ヒぃっ!おしり、たたくの、だめぇっ♥」

 蓬莱山の思惑通り、永琳は私が叩いたものだと思っている。いやだ、といいながら、尻を振って次の一撃を待っているようでもあった。

「ちゃんと、ちゃんろ、なめるからぁ、ぁむっ、んちゅっ、ぶちゅぅっ」

 唾液を頬一杯に溜め、じゅぼじゅぼいやらしい音を立てながら、目隠しにヘッドフォンのままで、頬を窄ませて頭を振る永琳。いつもの怜悧な印象はそこにはなく、性を貪る牝、いや、拘束され視覚と聴覚をふさがれているその様は、もっと下劣な別の"物"に堕ちたようにも見える。

「っは、え、永琳っ」

 使い慣れた口。しゃぶり慣れた肉棒。それでも快感はいつでも新鮮で、彼女はいつまでも明晰で、大人で、乙女で、淫らな恋人。
 手が使えれば頭を撫でてあげるのに。頭を掴んで喉の奥まで押し込んであげるのに。腕が使えずもどかしさに背を押されて、腰を前後に揺らして永琳の口の中を感じる。周りの四人に見られている気恥ずかしさは、じりじりと首の後ろの何かを焼き続けている。これが焼き切れたら、私は。

「け、ねぇっ、ちゅっ、あむ。むぐ、んっ♥」

 永琳は、舌で裏のへこんだ筋をなぞるように刺激したり、鈴口の入り口をほじったりしながら、唇で竿全体を包み込んで締め、しごいてくる。
 今度は少し横に構えて、まるで歯磨きするように頬の裏肉にぐいぐい押しつけ、その綺麗な顔を無様に歪めながら私の物をしゃぶり始めた。頬肉に包まれる亀頭に、たまに当たる歯がアクセントになって、気持ちがいい中に少しの痛みが、快感であり、持続力をあげてくれる。

「ぷ、っん、慧音の味、慧音の形、忘れてしまった私に、もう一度、覚え込ませて。慧音のおちんぽの味、口の隅から隅に染み込ませて、忘れられないように調教しなおしてぇ」

 永琳の媚び科白を聞くのはもう久しぶりだった。ぞわっと、背筋から腰、そして股間の肉棒へ欲望が走り抜けて、舎性欲を高める。

「すごお、永琳って昔からマゾっぽかったけど、慧音センセとくっついてからより酷くなってるわね。見てるこっちまでゾクゾクする。マゾ臭ここまで匂ってくるわ」

 蓬莱山は永琳の私への奉仕を見ながら、股間に手をやって太股をすりあわせている。すぐに妹紅がそばに行ってその手を取り上げて代わりに妹紅が愛撫を始め、奪うみたいな接吻をくれていた。
 それを見ているこっちも、もっと高ぶってしまう。

「んっ、も、こぉ、だぁめ、今は、慧音センセと永琳の、バレンタインデー強制執行なんだからぁ♥」
「別に、一緒に楽しんだっていいだろ。輝夜だって、濡れてるし」
「もうっ、もこのスケベ。おしりに固いの当たってるっ」
「そりゃあ、慧音があんな風に腰振って、永琳があんな無様で、お前が焦れてるの見たら、しょうがないだろ?」
「でも、だめだってばぁ♥先にこの二人に気持ちよくなってもらうの。あっ、ほら、もこが始めようとするから、うどんげとてゐもすりすり始めちゃってるじゃない」

 鈴仙の銃口は下げられて、そばに寄った因幡が鈴仙の太股に股間を擦り付けながら、背伸びして鈴仙の唇に下を延ばしている。
 銃が私に向いていなくとも、指錠が私を拘束し続けているので巧く逃げられないだろうし、何より、今は永琳のフェラチオの快感を中断する気にはなれなかった。

「けぇね、ちょうだい。慧音のザーメン、久しぶりにいっぱいちょうだいっ♥口で奉仕してるのに、おまんこにじんじん来ちゃってるのぉっ。ザーメンおくちにいっぱいもらえたら、おまんこもイケちゃうわぁっ♥んちゅ、ん、ぶっ、じゅぶ、んっ♥」

 歯ブラシフェラ、亀頭攻め、バキューム。裏筋撫で、雁首なぞり、頬肉包み。口一つでありとあらゆる快感を与えてくる永琳に、私はもう、肉棒の内圧を押さえることが出来そうになかった。
 そこに、永琳は、とどめといわんばかりに私の肉棒を大きくくわえ、咽の奥へ導き、飲み込むように喉を蠢かせる。口の中の唾液溜まりを嚥下しようとする波打ちに、イキ前の亀頭と雁首がさらされて、私はこらえるまもなく、決壊してしまう。

「っく、え、永琳、そっ、それ、あ、っ、で、射精るっ、永琳っ!」

 飲ませるよりも、かけたい。
 射精の瞬間に、そう感じた。私の汚い物を内側に受け止めてもらうよりも、久しぶりの永琳との行為に、私は、永琳を汚してやりたいと、思ったのだ。
 射精が始まる直前、私は咽の奥へ飲み込まれた肉棒を、ずるりと引き抜いて先端を、目隠しされた永琳の顔に向ける。

「っ、~~~っ、あ、え、えいりん!えいりんっ!」

 私は後ろ手に拘束され股を開いて立ち膝になった情けない格好で、愛しい永琳の名前を呼びながら、その顔に精液をぶちまけていく。
 肉管を通り抜ける精液の感触がさらにオーガズムを後押しして、肉棒全体のむずがゆい射精感を増大させる。

「んぷ、け、ねえっ♥いっぱいぃ♥すっごい量ね♥私と同じく、慧音も、溜まってたのねぇっ♥じゅる、ん、ずずっ、ぺろっ」

 永琳の目隠しに、溜まって臭く匂う汚い私の精液が垂れる。銀髪の前髪、白い肌にかかった精液よりも、目隠しの黒と精液の白、赤い唇と精液の白の、キツいコントラストが、劣情を誘う。
 目隠しが、これほどに淫らな装具だとは。どんな淫らな下着より、永琳を堕落させる淫具より、この目隠しが、精液の白い流れに汚された黒い目隠しが、性欲を高める。

「っは、え、えいりんっ」

 目隠しの付近の肌に肉棒の先端を擦り付けてしまう。先が鼻や頬に当たると、今しがた絶頂に震えた肉棒は、敏感に貪欲に、さらなる射精をせがんでくる。
 永琳も、口から離れたところに擦り付けられるペニスを一生懸命に舌を延ばしてなめようと、無様で淫らな顔を見せてきた。

「けえねで、かお、どろっどろぉ♥もっと、もっとかけてぇ♥もっとザーメンぶっかけてぇっ♥」

 周りに私以外の皆がいるだなどと思っていない永琳は、いつも通り、いや、いつもより、淫乱をみせる。永琳の激しいフェラで腰が引けている私に、でも永琳はもっとと舌を伸ばして私を求めてくる。
 妹紅が私を見ている。永琳を攻めたい加虐欲求と、妹紅や他に見られながら射精したいという被虐欲求が、渾然一体となってぞくぞくと、私の体中を駆け回っている。
 もう一度、と前に出ようとしたところで、因幡に抑えられてしまう。

「だめだめ。ホワイトチョコはまた後にとっといて?」

 上半身を拘束されてうまく身動きがとれない私を制して、因幡が私にペニスを見つめて舌なめずりする。が、それを見ている鈴仙の視線を認めると、「れ、鈴仙がいちばんだよぉ」と相棒へ擦り寄り直した。

「てゐが楽しむのはあーと。さて、師匠には私からのチョコを受け取ってもらいますね。」

 鈴仙がそういうと、因幡が奥から何やら筒状の物を何本か持ってきて、鈴仙へ手渡した。茶色いが、芯が出ているところを見ると蝋燭のように見える。

「師匠へのチョコは、義理になっちゃいますけど、愛情込めて作ったんで受け取って下さいね?」

 もちろん永琳には、鈴仙の声は聞こえていない。
 そんなことには構わず、鈴仙はその蝋燭のようにしか見えないそれの先端から伸びる芯に、火を点けた。
 なにやら魔術が起動する気配がした。あの蝋燭は、そうとしか見えないが、しかしチョコなのだろうか。火を上げる灯火から、小さく渦を描くように立ち上り展開される術式は蝋燭型のチョコ自身を包み込んでいく。

「うわー、うどんげ、それ、チョコ?」
「はい。師匠から習った薬学の賜物です。師匠に、私の成長を見ていただきたくて」

 さっき"手を上げるなんて出来ない"と言った奴の言葉とは思えない。その表情は嬉々としていて、蝋燭型チョコを因幡に持たせてするすると服を脱ぎ捨てた下には、黒い鞣し革で作った服(と言うには鋲や鎖の装飾が過ぎると同時に露出度が高く下着のようでもある)を纏っていた。
 それは服や下着の機能は全く備えていない。むしろ、着ている方が、淫猥。乳首も局部も、敢えて見せるように皮革が取り払われており、それによって勃起した三点が、黒いレザーに克明なコントラストで描き出されている。
 その淫らな服に色直しした鈴仙は、永琳の条縛姿勢を変え、仰向けに吊す形を取らせた。

「師匠からお叱りを受けたときの教訓だって、てゐへのお仕置きにも役に立ってます。今の私、師匠のお陰なんですよ?ふふっ」

 鈴仙にチョコを返す因幡の表情は、この短時間の間にすっかりと鈴仙へ釘付けとなり、ふわふわのシフォンスカートの下の太股同士を擦り付け、あまつさえスカートの上から股間を押さえている。
 チョコ蝋燭を受け取る鈴仙が、あとでね、と因幡の頭を撫でると、彼女はコクンと小さく頷いて、下がった。
 チョコの炎が大きくなり、それが傾く度に溶けて液化したそれが畳に滴る。ぱたぱたと乾いた音を立てて畳に落ち、冷却されたそれは飛沫を跳ばす形のまま凝固し直している。
 チョコレートとは、あのように蝋に近い振る舞いをするものなのだろうか。それとも、それが、永琳に習った技術の賜物というのだろうか。

「いきますよ、師匠?」

 仰向けにされ、猿轡からこぼれる唾液は頬を伝って流れる。股は大きく開かされ、既にぐずぐずになっている陰毛が濃いめのそこを無様に晒していた。
 その永琳の緊縛姿に、私は生唾を飲み下して見入ってしまう。私の股間のものは、目の前の鈴仙と同じくすっかりと勃起してしまっている。
 鈴仙が永琳にする行為は容易に想像がつく。そして、永琳がそれを大好きであることを知っている私は、心の中で鈴仙の行為を急かし期待してしまっていた。
 いよいよ、熱されたチョコが永琳の肌へ、滴った。永琳の胸の頂点、蓬莱山に仕込まれ、図らずも私が焦らし、おそらく鈴仙の瞳で心を剥かれ、目の前で妹紅にフィストで責め立てられて、発情しはちきれんばかりに勃起した乳首へ。一滴目は狂いなく、そこへ落とされた。

「きゃヒぃいいいいっ!?」

 瞬間、奇声を上げて体を仰け反らせる永琳。資格と聴覚を封じられた状態での一発目ではまだ、何をされたのか分からない様子だったが。

「あんまり暴れないで下さいよぉ。狙いが定まらないじゃないですか」
「あっッこ、これっ!んあっ!……ひっ!あつ、っ、あつっい!アあ゛っ!!」

 チョコが滴り、熱虐が永琳の肌を攻めるたびに、彼女は声を上げて身を捩った。
 鈴仙は次から次へと、溶けたチョコの滴を永琳の肌に容赦なくばらまいていく。チョコの濃い褐色は、永琳の白い肌には目が覚めるほどのコントラスト。チョコが張り付きそのまま固まれば、その白皙を流れ滴る液体がそのままの姿で停止する妖艶な姿となり、固形化した後に肌から剥がれ落ちれば、火傷に赤くなった肌が白と赤の痛々しい差が嗜虐欲をそそる。

「あっ♥ひん♥あついっ♥慧音、慧音ぇっ♥あっついぃっ♥」
「ああ、師匠の声、ぞくぞくしますぅ」

 鈴仙は鈴仙で自分の世界に浸り、永琳は永琳で相手を私だと思いこんでいる。
 形よく揺れる豊満な胸の膨らみ、細さの中に熟女然とした淫靡な丸みを帯びた体の輪郭、それに負けぬむちむちとハリを保った太股、それらすべてに、火傷するほど加熱されたチョコの雨を降らせていく鈴仙。頬を紅潮させ、口角を上げる表情には、愉悦と残忍が共存している。少し瞳から狂気を漏らしながら永琳に向けられる感情は、かつての想い人で師匠として尊敬する相手に向けて、おそらく月面戦争時に捕虜であったときに、好きでも何でもない相手から無理矢理叩き込まれたものを、ここぞとばかりに吐き出そうとしているようでもある。

「ほんとう、いやらしい人です、ねっ!」
「んっひ!んごおぉっ♥」

 チョコを肌に落とされて嬌声を上げ、炎を近づけられて悦んでいた永琳の尻に、蓬莱山がそうしたのと同じような強烈な平手が浴びせられた。

「ふごっ!ん!んぅううっ!♥いた、いたいのぉっ♥慧音の平手、響くぅっ♥痛いのに、おなかの下に、じんじんクるのぉっ♥」
「好い声で鳴きますね、師匠ぉ?」

すっかりチョコレートコーティングされた熟れ肉に一発打てばチョコが剥がれて赤い肌が現れ、二発打てば熱で敏感になった表皮に慈悲なく重なる手形、後は重なる度に赤く腫れ上がり、無惨な尻たぶへ変化していく。
 それが人体から発せられているとは思えない、乾いた破裂音と、それ自体の音量の大きさ。それは鈴仙が浴びせる平手が如何に無慈悲なものであるかを物語っている。同時に、その苛烈な平手打ちの雨に晒された永琳の肉体は、信じられないほどにあそこを濡らし、淫唇をひくつかせている。
 鈴仙が、それをしているというのに、私は、鈴仙の行動に自分の姿を重ね、自分で、永琳を熱攻めし、平手を打ち込んでいるように、錯覚してしまう。
 それは、鈴仙の股間にあるものが、私にもついていることが、強いシンパシーを形成させているようだった。
 鈴仙の特殊ボンテージは、淫裂をファスナーの下に隠しているのに対して、肉棒を隠していない。剥き出しにして、敢えてその存在感を強調するデザインは、否応なく見る者の視線をそこへ集める。私も、それを視界に置き、意識させられてしまう。痛いほど勃起し、エラが張り、反り返って青筋を浮かべながらも、触れることをせず、期待するが与えられぬ刺激に対してガマン汁を滲ませ、ぴくぴくと跳ねている。
 私のペニスと、全く同じ状況だった。それが、性欲トランスによって統合視の鍵となり、私は、永琳を打つ鈴仙に、入り込んでいた。

「え、えいりん」

 思わず私が、呻き声に恋人の名を漏らすと、鈴仙は視線だけを私に向けて、にやりと笑う。彼女は、自覚している。計算づくなのだ。私の前で肉棒をさらし、その淫らすぎる姿で永琳を打つ姿を見せつけ、そうして私を永琳への嗜虐欲に落とそうとしているに違いなかった。

「ほらぁ、もっと好い声で鳴いて、上白沢先生をどきどきさせてあげて下さい?ほら、この涎垂らした無様な顔、見せてあげてくださいっ」

 鈴仙は、永琳の顔に蝋燭の火を近づけて、その熱によって存在を知らしめ、脅す。ひ、と小さな嬌声を上げて、永琳は前髪を燃やされ、まつげが片方焦げ、肌を少しだけ焼かれたことに悦んでいる。

「永琳に豚烙印押すの夢だったんだけど、昔は出来なかったのよね。今なら出来そう。もこ、今度やろうよ」
「私はこっちに、押したいけどね」

 永琳の乱れっぷりをみた蓬莱山が、夢見る乙女みたいな格好でそんなことを言うのに対して、妹紅の方は少し冷たい声で返しながら、蓬莱山の乳房を握るみたいに強く掴む。蓬莱山は身を捩って妹紅の仕打ちに媚びる。

「師匠、いま豚に見えるそうですよ?」

 さらに一発平手を打ち下ろし、真っ赤に腫れ上がり、それどころか肌が少し裂けかけている尻に、再びチョコを垂らす。

「ぐ、ぎゃああアああ゛あぁあっ!だ、っ、だめ!いまっ、おしり、びんか……ぉぁおほぁおあ゛ああっ!あつ、い、いたいっ、慧音、いたっ、ああああアぁあああっ!♥でも、でも、慧音がしてくれるから、感じちゃうっ♥嫌なのに、熱くて痛くて辛いのに、慧音、けいねぇっ♥」
「好い声ですよ、師匠!」

 腫れ上がって形が変わり、血さえ滲んでいた尻膚への蝋燭攻めならぬチョコ攻めは、永琳を激痛と快感の奈落に突き落とした。
 再び永琳をチョココーティングで彩っていく鈴仙。威勢はいいし瞳から溢れ出る狂気を見るにその嗜虐性は本物に違いないが、時折太股を擦り合わせて切なそうにしている。その様が、私には余計に、鈴仙へのシンクロを高めてしまう。
 黒のレザーと鈍色のファスナーの下で、鈴仙の淫裂は奥への刺激を求めて入り口をじっとり濡らしているに違いない。跳ねる勃起肉棒からは若干白濁混じりの先走りが竿を垂れている。

「あは!好い声!無様ですね、師匠?あの月の頭脳とまで言われた前帝の側近、名家八意家の当主、いつも涼しい顔してる天才八意永琳がケツをぶたれてアヘ顔晒して、マゾプレイで感じまくってるなんて、ほんとう、無様で最高です!」

 鈴仙の言葉が、私の欲求を代弁する。いつも姉然母然と何事にも動じない聡明で穏やかな永琳が、抱かれるときに豹変するのが私は大好きだった。私よりも長く一緒にいる蓬莱山や鈴仙は、そのことを熟知しているのだろう。
 体の自由を封じられる私の目の前で、繰り広げられ続ける光景に、私は泥沼に足を踏み入れたことに気づかないでいる獣のように、ただただそれに見入り、興奮を高めてしまう。
 永琳は今も目隠しとヘッドフォンを外されていない。匂いと、触覚、後は全て彼女の中で渦巻く妄想によって、あの無様で美しい様を自ら演出しているのだ。その相手は、今は、私ではなく鈴仙で。その鈴仙がみごと事細かに私のよっきゅを再現して、時には「次はそこを叩いてから、真っ赤に腫れたそこに熱を垂らしてやりたい」と思えばその通りに平手を打って溶けた高温チョコを垂らし、想像通りのえげつない喘ぎを叫ぶ永琳を捻り出す様は、永琳の相手は私でなくてもよいのだろうかと悔しさに唇を噛んでしまう。
 だが、その口惜しさと永琳の痴態への欲情は補色同士のマーブリングみたいに混じることなく交わり、より鮮烈な興奮につながってしまう。

「ほら!今何をされているかわからない、相手が恋人だと思いこんで、何をさらけ出しても好いという信頼感は、ぜーんぶ、道化。こうやって、ひっぱたいて」
「あヒっん!いた、い♥慧音、痛いっ♥」
「熱チョコ攻めを重ねても」
「お、っほぉおおおっ!あっついん、でも、でも私、ぃ♥」
「相手は上白沢先生じゃないんです。無様に醜態をさらして、好きでもない相手に媚びる言葉をはき散らして、マン汁垂らしてヨガりまくって、でも全部、私に向けられてるんですよ。ねえ、師匠?今師匠を感じさせてアヘらせてるの、私なんですよ?師匠が媚びまくって、ちんぽ入れて欲しそうにケツ振ってる相手は、恋人じゃなくって、私なんですよ!無様ですね!あはっ♥」

 鈴仙の言葉は、ヘッドフォンをつけたままの永琳には届いていない。届かぬ言葉を投げ続ける狂気じみた鈴仙の行為は、しかし、紛れもなく理性の下での計算だった。その言葉は永琳ではなく、私に向けられたものに違いなかったのだ。しかもそれは、尊敬する師を奪った私への嫉妬ではない。あの玉兎はもうそんな者は跳び越えている。私の性欲を煽り、その気にさせるための挑発だ。
 そしてその挑発は、彼女の思惑通りに、まさしく私の劣情をこの上なく高ぶらせている。

「けいね、けいねぇ♥もっと、ぶって♥もっと、蝋燭ちょうだいぃ♥とろとろに感じてるおまんこに、慧音のぶっ太ちんぽぶちこんで、おなかの奥までぎちぎちに広げてぇ♥」

 永琳が蕩けきった媚び声で私を呼ぶ。その様が私の下半身に直撃するが、その言葉を引きだしたのは私ではなく鈴仙であることへの、悔しさ。でも、それでも永琳の痴態はどうしようもなく魅力的で、私は。

「してくれ」

 からからに渇いた咽が、掠れた声にしてしまう。後ろ手にされた手を閉じたり握ったりし、後ろにいる妹紅にも。

「この指錠を、外してくれ。」

 鈴仙が、笑う。今まで随分と永琳にひどい仕打ちをしていたが、それまでに見たどの表情よりも、残忍な笑いだった。

「藤原さん、どうです?」

 鈴仙に問われた妹紅が、私の顔を見る。妹紅なら、私を証明してくれるはずだ。

「もういいだろう。慧音のタガはもう外れてる。なあ、慧音。今は、永琳を犯したくてたまらないんだろう?」

 黙ったまま何も返さない。視線だけを、向けてやった。

「そうだ、その"慧音"だ。大好きだったよ、お前の、それ。いや、今でもだ。輝夜、鍵」

 妹紅が蓬莱山を呼ぶと、彼女は妹紅に向けて鍵を投げた。それを受け取った妹紅は、私の指錠をはずし、耳元で。

「メリーバレンタインデー、慧音」

 と呟いて背中を押してくる。
 両手が自由で、今なら十分、好きをすることが出来る。

「外してしまっても、いいのだろう?」

 私は永琳の目隠しとヘッドフォンをさして蓬莱山に問う。

「ご自由に」

 私がそれらを外そうとすると、鈴仙が、私の役目は終わったと下がろうとする。

「そこにいろ」
「はい?」

 怪訝な目で見てくる鈴仙の目に、狂気の光はない。

「お前がそこにいないと、今まで永琳がひいひい言ってねだってた相手が誰だか、わからないだろう?」

 私がそう言って鈴仙を引き留めると、鈴仙はわらって「ひどいひと」といい、私がいったん返したチョコ蝋燭を、改めて引き取る。

「ああ、このシチュエーションを認識した師匠がどうなるか、想像しただけでイきそう」

 すぐに鈴仙の傍に寄ってきた因幡。まるで側女みたいに鈴仙に寄り添って、頭を抱く鈴仙に体を寄せて、でも鈴仙だけに意識をやるのではなく、鈴仙が意識を向ける永琳の光景に視線を向けて、鈴仙を立てる。
 初めて会った頃は随分じゃじゃうまだったというのに、因幡は随分とおとなしくなった。戦地に身を置き続け、その悲劇的な結果として、通常の性行為では感じなくなっていた鈴仙を見かね、うまく行っていなかった二人に対して鈴仙のトリガを彼女に代わって引いたのもやはり、蓬莱山だった。
 彼女がこの屋敷の台風の目であり、引力源であり、象徴であることに疑いはない。
 私はまず永琳を吊す綱を断って、彼女を地に下ろす。緊縛の結びはそのまま残しておくことにした。次いでヘッドフォンを取り払おうとするが、なるほど専用のものか。容易に外れないように、複雑なロックがかかっている。前髪を上げて、今は二つ編みをおろされたベリーロングの後髪に手を入れて目隠しの上から後頭部へとまわる固定金具を外す。外されたヘッドフォンからは、轟音にも近い何か音楽が溢れ出していた。

「目隠し、外すぞ」

 耳元にそう言ってから、鈴仙を永琳の視界に入る辺りへ促して、ゆっくりとそれを外す。

「えっ」

 最初に目に入った鈴仙の姿を認めて声を上げ、それから服を着たままの私を見る永琳。その周囲に蓬莱山、妹紅、因幡が居ることもようやく認識したらしい。
 一人一人の姿を確認する度、永琳の顔は興奮ではなく羞恥によって赤く染まっていく。特に、一周した後でもう一度鈴仙の姿を見、そして自分の体にまき散らされているのが蝋燭ではなくチョコだとわかったときの永琳のそれは、今にも泣き出しそうで。

「師匠、残念でした。あんなに気持ちよさそうに叫んでましたけど、やってたの、上白沢先生じゃなくて、私なんです♪」

 チョコ蝋燭をゆらゆら揺らして、改めて永琳の肌にそれを滴らせる。ひ、と声を上げる永琳だが、その目は狼狽えるばかり。

「どういう、こと」
「先生、あんたの中、凄いんだな。拳を丸々飲み込んでしまうなんてさ。……臭っさ」

 妹紅は永琳にぶち込んでいたフィストを舐めて、匂いを嗅ぎ、永琳に見せつけている。

「永琳、目が覚めてから、いろんなことされて、ひいひい気持ちヨガってたけれど、慧音センセは一つも手出ししてないってこと♪あ、フェラしてたのだけは、先生よ。でも、それだけ♪かわいそうに、他の女達の手でどろどろにされちゃって感じまくってる恋人を目の前にして、慧音センセ、お怒りみたいよ?」

 わざとらしい煽りを入れるのは蓬莱山。かつての永琳との仲を考えるに、一番効果的に永琳を貶められるだろう。

「け、けいね?うどんげ?ふ、ふじわら、てゐも?」

 訳も分からずきょろきょろと、しかし一度点けられた劣情の火をくすぶらせたままの永琳。体中にチョコの飛沫、火傷の後、平手の腫れが残り、汗と、涙と、涎と、愛液と、そして私の精液で汚れた永琳。

「永琳。最高に、無様だ」

 永琳の鼻を摘んで上を向かせる。羞恥に染まりかけていた朱が、再び被虐快感のそれに色を取り戻す。

「察しは付いているかもしれないが、これはバレンタインデーの遅延強制執行なんだそうだ。よくできた、ちょこれーとだ。鈴仙の作ったものらしいが、お前は全く、蝋燭だと思いこんで、鈴仙に向けて好い声で鳴いていたじゃないか」
「あ、あ……」

 おろおろと落ち着かなく、私と周りを見渡している永琳。

「舌を出せ。」

 私が言うと、一二度口を小さくぱくぱくさせて何か言いたそうにするが、その狼狽えた眼を覗き込んでやると何も言わずに大きく口を開けて舌を出してきた。

「淫売」

 そんなこといわないで。だって、あなただってわかる訳ないじゃない。ごめんなさい。それでもあなたが一番なの。ゆるして。
 いろんなことを言いたくても鼻を摘まれ、舌を出したままで言えない永琳が、目だけで私に訴えてくる。そんな成熟した肉体。何者も追いつけない頭脳。本国に帰れば貴族で、執政の信頼も厚い。そんな才女が、こんな風に。小さな里一つを守り人知れず歴史を取捨し続けるだけの妖怪に、舌を出して服従して。
 愛おしい。永琳が、たまらなく、愛おしい。

「バレンタインのチョコなんて、私たちには無用だって、見せつけてやろう」

 涎でべたべたになった永琳の口を鼻を摘んで上を向かせたまま、私はそれにキスした。少し粘つく唾液は喘ぎまくってたからだが、そのねっとりとした感触が堪らない。
 下唇をに少し強く噛み付いてやると切ない顔をして不自由な声を漏らす。
 舌を入れ、咽の奥まで容赦なくほじると、鼻も摘まれたままの彼女は息を出来ずに、咽あるいは鼻の僅かな隙間から下品な荒い音を立てて息を吐き、新しい外気を求める。
 窒息寸前で身悶えながら、私のキスを受け止めて息と声と唾液をこぼし続ける永琳を、私はこの計画に荷担した奴らに見せつけてやる。キスをしながら目だけで、妹紅、蓬莱山、鈴仙と因幡を見ると。鈴仙と因幡は私たちにあてられて、今にも始めそうな感じになっている。鈴仙に口へ指を入れられて、因幡は切なく悶えながらそれをしゃぶっている。蓬莱山と妹紅は少し違う。私と永琳が転げ落ちてこうしてセックスし始めたこと、鈴仙と因幡がぐずぐず崩れ落ちそうになっている様を、満足そうに穏やかに、見つめている。蓬莱山を優しく包み、頭を胸の中に抱きながらその黒髪を梳いている妹紅と、そうされながら静かな表情で私たちを見、時折妹紅の顔を見上げてゆったり笑う蓬莱山は、何か違う段階にいるように見えた。
 だが、私と永琳以外の四人は、私がこうして永琳を押し倒し、永琳もそれに応えている様を見て満足そうであることに間違いはない。

「ほら、見ろ。私たちのこと、見てる。鈴仙達なんか、私たちのこと見て、サカってしまっているぞ」

 鼻を放して頭を自由にしてやってそう言うと、しかし、そんなのどうでもいいと言外に、もう一度抱きついてキスをせがむ永琳。

「好き者が」
「しょうがないじゃない、好きなんだもの」
「私がか、セックスがか」
「両方」
「欲張りな女だな」

 そうまでいうなら、どうせだ、これの続きにしようか。
 そう言って鈴仙に手を出すと、彼女は忘れてたと言わんばかりにぴょんと跳ね上がって、チョコ蝋燭を手渡してきた。

「あっ」
「よがってたじゃないか。今度は私の手で、やってやるよ」

 そういうと、永琳は、まるで恋する乙女が好きな人を見つめるみたいに潤んだ目で私を見、頬を桜色に染めて私に寄りかかってきた。
 蝋燭に火を点け、その炎を目の前に近づけてやる。ちりちりと前髪が少し焼けるが気にしない。溶け始めたチョコ蝋が先端に溜まったところで、それを胸の丘上に滴らせた。

「あっ!ん♥」
「私からのバレンタインチョコだ。鈴仙の作ったもので恐縮だが、受け取ってくれ」

 そう言って、次々に滴を落とす。
 胸の膨らみはすっかりチョコでコーティングされ、次いでおなか、へその穴をチョコで象る。縄で押し出された淫ら乳、菱形に区切られた豊満肉が、チョコの滴型に彩られてエロティックだ。

「あっづ、い♥チョコ、慧音のバレンタイン、チョコぉ♥あっついの、きもちイイのぉっ♥」
「ふん、さっきは別の女に喘いでいたのに、安い女だ」

 そう言って、チョコで包まれた乳首を、それごと摘んで砕いて、捻る。

「あ゛っ♥慧音っぇ、だめ、あっつくて、チョコされたとこ、ビンカ……んあぁああっ♥」
「誰相手だって、いいんだろう?全部見てたんだぞ、お前が、誰彼構わずヨガり散らしてたのを。大した淫乱だよ、永琳」
「だ、だって、あんあにされてたら、わからなんんっぶ」

 彼女の言葉を遮るように、もう一度キス。その口の中を蹂躙して静かにさせてから、再びチョコ蠟を浴びせる。欲しいのは言い訳じゃない。つかの間の服従の誓いと苦悶快楽の喘ぎだけ。

「あ゛っ♥ん!あっつ♥い♥けいねっ、も♥くぅ、んっ♥もう、蝋燭、だめっ♥あっひ♥でも、でもっ、おちんぽは違うって、当てたでしょう?」
「ま、まあ、あれは……うん、嬉しかったよ」
「ああ、よかったわ。慧音、だって私、慧音の……あ、ひぃっ、火、直接はぁ!」

 照れ臭くて火を近づけすぎた。

「鈴仙の責めは好かったか?あんなに涎をたらして、いい、いいと随分だったじゃないか。なあ?」

 そういって平手を数発、腫れの引かぬ赤いままのケツに打ち下ろす。

「アヒっ♥おしり、もう、だめぇつ♥あ゛っ!ん゛、ひぃっん!やけるぅっ、お尻、痛くて熱くて、焼けちゃう♥びりびりクるぅっ♥」
「手ではもう足らないなあ。よくよくマゾ豚に育ったな、永琳?」
「だって、慧音があ♥姫よりキツいこと、シてくれるからぁ♥はぁっん♥あっつい♥チョコぉ、バレンタインチョコ、あついのおっ♥」

 溶けたチョコを、永琳の魅力であると同時に彼女の秘められたコンプレクスである胸へ重点的に垂らす。そして、冷えたチョココーティングを砕いて摘み、ひねり、平手でぶって、その上から再びチョコを垂らし、傷を塞ぐみたいに熱処理していく。鉄を刀に鋳るように、念入りに、繰り返し、繰り返し。永琳が悦び続ける攻めを繰り返していると、永琳の目がいよいよ眠りかけのように欲情にとろんととけ、焦点が合わず、口が半開きのまま切ない顔で私を見つめるようになった。

「け、ね」
「どうした」

 永琳は太股をもじもじと擦り合わせ、そしてそれを開く。
 中央に見える濃い陰毛を茂らせたそこは、スコールを受けた密林のようにじっとり湿っており、その下で綻んでいる肉花は今が満開と咲き誇って蜜を垂らしてひくついていた。

「ここ、切ないの……。慧音、もう、入れて欲しいわ」

 おそらく、永琳としてはそういえば挿入してもらえると思ったのだろうが、今日ばかりはそうはいかない。チョコはまだ半分も余っている。

「急かすなよ。まだ、チョコはこんなにあるぞ」

 大股を開いた中心の花弁、花核を見る。そして、蜜を湛えてひくつくそこへ、容赦なくチョコを垂らした。

「ンあああっ!!♥そ、そんなところまでっ♥あっつ、ダメ、あつすぎ……ぎひぃいいいっ♥♥お、おんぉっ♥慧音、そこ、ちがっ♥ソコにほしいのは、ちょこじゃなく、いひいぃいいいっ!あっい♥けいね、けいねえぇっ♥」

 嫌がる割には、股を閉じようとしない永琳。愛液で陰毛がぺたりと貼り付いているソコが見る見るチョコレートで覆われていく。チョコ色に象られた陰部は、チョコが冷えて固まり、まるで液体の貞操帯を付けたように見える。

「なあ、永琳。こんな風に皆に見られている中で、そんな浅ましい姿を晒して、恥ずかしくないのか?それとも、それが気持ちいいのか?」
「や、そ、そんな♥私露出癖なんて……♥ないっ、ないわっ♥姫や鈴仙にこんな、淫乱でだらしのない姿を見せて、ああん、えっちな私を見られて、感じるなんて♥そんなこと、そんなことぉっ♥」

 潤んだ目で媚声を使う永琳の乳首を摘み、引っ張って捻る。

「オ、っぉおぉおお゛おっ♥♥かんじ、て♥なんかぁっ♥いたい、いたいだけぇっ♥こんな行為で感じるのは、けいねのぉ♥慧音と二人っきりのときだけなのにぃっ♥見られてきもちいいなんて、ないのにぃっ♥」
「そうだな。お前に憧れて生きている優秀な弟子に、主で且つかつての恋人の目の前で、こんなっ、風にされて、感じるわけがないよな?」
「ないっ♥わたしぃ、感じてない♥っ感じてなんかないわぁっ♥」
「ふん、どうだかな」

 私はひとしきり胸を苛め続け、彼女の喘ぎと叫びを存分に引き出す。そして、股間に広げられ固まったチョコレートを、覗き込む。

「動くなよ」

 私は、太腿を内側から開くように手を入れて、チョコレートに包まれた永琳の陰部に顔を近づけ、その褐色の塊を、中央の大事な部分を残すように丁寧に割っていく。

「け、いね?」

 打って変わって穏やかな行為に、永琳は怪訝そうな声を上げる。
 ぱきぱきと割り、残したチョコレートは、陰毛の生え際から淫核、恥溝全体を覆うだけの形。それの中央を、割れない程度に抑えながら、永琳の顔を見る。

「出来上がり」
「えっ?」

 私は永琳へクンニするみたいにその股に顔を埋め、そのチョコレートに前歯を当ててぺりぺりと剥がす。陰毛が凝固したチョコレートに絡んで取りにくいが、それでもべりべりと剥がしていく。

「あっ、ん」

 ぽろり、と剥ぎ取れた淫裂の型に取れたチョコには、抜けた陰毛と、永琳の愛液がべったりと絡んでいる。そのチョコを頬張り、更にチョコに包まれていた淫唇の匂いを嗅いで、一舐め。

「ふふ、いい出来じゃないか。永琳の、ウィスキーボンボン。よく成熟されて、いい匂いだ」
「や、やだ、そんなの……♥」

 どうやらこのチョコはあまり食べることを考えて作られていないようで、お世辞にも美味しいとはいえない。それでも、永琳の濃厚な愛液の味と風味が、たまらなく美味に思えた。
 永琳の体で熟成された特製ウィスキーボンボンを堪能した後、残した淫酒を舐め取って永琳の顔を覗き込むと、羞恥と切なさでゆらゆら潤む瞳で私を見つめ返してきた。

「ちょこ、美味しかった?」
「ああ。美味しかったよ。永琳の味がした」
「じゃ、じゃあ、今度は」

 永琳がもじもじと、言葉を紡ぐ。

「今度は、慧音の、ホワイトちょ」「はーい、えーりんのラブブランデーチョコをもらったけーねせんせいに」

 永琳の言葉を割って入ってきたのは、因幡だった。

「せんせい、えーりんに、チョコのお返し、だよね?こんなものを用意したんだけど」

 と、因幡が持ってきたのは。

「ひ」

 それを見て、永琳が引き攣った声を上げ、そしてすぐに蕩けた表情へ。

「どうかナ?これも、れーせんがつくったものだケド」
「まったく、どこまでも」

 よくよく師匠想いの弟子だ。
 因幡が持ってきたのは、バケツいっぱいに入った、今度は常温で液体のチョコレートソース。
 それと、浣腸器だった。

「そういうわけだ。"ホワイトチョコ"は、もうしばらくお預けだな?」
「あ、あああ」

 ヘッドフォンと目隠しをされていたさっきと違い、何をされるのか分かってしまう。わなわなと震える永琳のその震えは、恐怖ではなく、紛れもない期待の現われだった。

「四つん這いになって、ケツを出せ。」
「は、はい……♥」

 言われるがまま四つんばいになって、尻を高く上げる永琳。その下側でぱっくりと割れて蜜を滴らせるヴァギナに、しかし今は興味がない。
 私は浣腸器を手にとって、バケツのチョコレートソースを吸引する。全体の9割程度の吸入で止め、残りには空気を含ませる。

「5リットル用意したわ。普通でしょ?」

 2リットルでも人体には苛烈だ。それをさらりと5リットルと言い放つ鈴仙。
 チョコ対空気が9:1程度になったガラスリシンジを勢いよく振り、中で泡立たせる。細かい泡がシリンジ全体に詰まったところで、一本目は完成だ。

「け、慧音、5リットルは、医学的に」
「蓬莱人が、細かいことを気にするな」

 嘴管を永琳の肛門に宛がう。少しだけチョコを出して肛門にぬめりを与え、ゆっくりと挿入した。

「んっ、ふぅっ……♥」

 なれたもので、口を半開きにして力を抜いた姿勢で、それをやすやすと受け入れる永琳。ゆっくりゆっくりシリンジを押し込み、ぶつぶつ泡立ったチョコレートソースを彼女の中へ注ぎ込んでいく。

「あ、っん!ふぅっ、んう」
「私からのバレンタインチョコだ。味わってくれよ?」

 シリンジを押し込み泡立ったチョコレートが彼女のケツ穴に送り込まれていくのがよく見えるのは、ガラスシリンジの中の浣腸液の動きがダイレクトに見えるからか、思った以上に興奮する。

「入ってくぞ、チョコが。ケツ穴ヒク付かせて、チョコ浣腸気持ちいいのか?」
「ふーっ、ん、んぃっ!ふぅっ!んぐぅっ!け、けえねっ……!」

 四つん這いだった上半身が、がくがくと震えて地面に落ちた。無様に畳にキスをする永琳の顔は、しかし快感に歪んで半開きになったまま、畳に唾液の水溜りを作る。
 なぜかラマーズ法みたいな息遣いになっている永琳が、痛々しくて、可愛い。

「ほら、もう2リットル入ったぞ。まだ半分も終わってないけどな」
「む、むり……慧音、もう、むりぃっ!」
「おなかが膨れてからが、本番だろう?」
「そ、そんな」

 シリンジが空になっては注ぎ足し、永琳のケツ穴に注ぎ込んでいく。何度か繰り返していくうちに、後ろから見ても分かるくらいにおなかが膨らんできた。素直にケツ穴を締めて、ひり出さないで我慢しているのが、調教された豚らしい従順さだった。

「いいんだよ、ここでぶちまけて、チョコ噴水を皆に見てもらっても」
「うっ、あ、それはぁ……っは、でもっ、おなか、痛、んっぐ、痛いのぉ」

 体中に脂汗が浮かび、声が弱弱しくなっていく。幾らケツ穴を締めても内圧に耐え切れず、時折ちょろっと噴出したり、ぶっと音を立てて小さく空気を漏らしたりし始めた。

「ほら、あと少しだ。5リットルだぞ。飲みきったら、おりこうさんだ」
「ぐ、ぐあ」

 畳に、爪が立てられて藺草の繊維が破れ解れていた。ばり、ばり、と永琳の爪がその奥に食い込んで、彼女の苦痛を物語っている。口の付近に広がる水溜りも、唾液というよりはもはや泡を吹くような様子に変わっていた。
 バケツの底が見えた。本当に、この体内に5リットルものチョコレートソースが入っていると思うと、感慨深くもあり、そうして苦悶に身悶えながらも我慢を続け、恐らく快感を得ているだろう永琳が愛おしい。もっと、酷くしてやりたい。
 最後の一本はシリンジの中程までしかチョコが満たなかったが、どうせだからその分空気を入れてやろうと、最後まで引いてから肛門に挿入した。都合半分分余計に入っているのだから、5リットルを超える容量を飲みきった永琳。

「これで、最後。っと。はは。ポンプで腹を膨らませられた蛙みたいだな。この状態で膝が抜けておなかが床に押し付けられたら、どうなるかな?」
「や゛……む、むり゛っ け、ね……ぜんぶ、飲んだから、お願い、と、とい」
「じゃあ、お預けだった"ホワイトチョコ"を、プレゼントに添えないとな」
「え゛っ」

 私は正直限界だった。
 目の前に愛しい女の痴態を長いこと晒されて、加えて今は私の手でこんなに淫らで最低な姿にしてやったのだ。興奮して興奮して、たまらない。一度はフェラで抜いてもらったちんぽが、スカートの中で既に先走りを垂らして裏地を濡らしている。視線を落とすと、テントを張ったスカートのてっぺんは、ぱんつとスカートの布地に染みきった愛液で、じんわりとシミになっていた。

「永琳、たまらないよ。可愛い。家畜みたいに扱われて感じまくってる永琳、最低で、むちゃくちゃ興奮する。セックスしたい。皆が見てる前で、私、堪らない、永琳に勃起ちんぽぶち込んでセックスしたい。セックスしたい。したい。」
「む、むりよぉ……が、がまん、限界なの、えっちなんかしてたら、もれちゃう……」
「大丈夫だ。したい穴は、こっちだから」

 私は永琳の赤くなった尻タブを指で開いて、肛門を晒す。ひくつき、もれそうになるチョコか空気かどちらかを必死に堪えるセピア皺が見えた。

「そ、そんなの、無理!絶対む」

 嫌がり大きな声を出そうとすると括約筋の力が緩んでしまい、びゅっと一筋、褐色の流れが漏れた。ついでに空気を漏れる下品な音も。

「む、り……よぉ」
「無理なもんか。栓をすれば、漏れないだろう?そら、入れるぞ」
「や、あ゛、あ、ああ゛あ゛あっ゛!!!」

 入り口に強い抵抗があるかと思ったが、中はもう液体でいっぱいに満たされていて、一度通り抜けてしまえば中は素直に飲み込んできた。きついのは入り口の門だけ。中はとろとろの液で満たされていて、あまり摩擦はない。
 亀頭が入った後、後は竿を押し込んでいく。ずぶずぶ、リング状に締め付けてくる菊門を進むにつれて、永琳の下半身が、痙攣を始めた。

「がっ、ぐ、が、はっ、はあっ、げ、ね゛……む、り……おなか、割れるぅっ、こわれるぅっ」
「はあっ、永琳、永琳っ♥いいよ、ケツ穴締めろよ、ほらっ♥ちんぽ殆ど飲み込んで、後一本浣腸いけたんじゃないのか?っぐ、ふぅうっ♥」
「むり、む゛りむ゛り゛むりぃ゛っ!しぬ、しんぢゃうぅうっ!!」

 はーはーと永琳の息遣いは、呼吸というより声のない叫びのようになってきた。私が腰を掴みあげる手を離したら、もう膝を立てている力もなく崩れ落ちるだろう。それも一驚ではあったけれど、私はもう、射精したくてしたくて堪らなかった。永琳のクソ穴に、私のホワイトチョコをプレゼントしたくて、その欲求だけが、高まっていく。

「はあっ、動くよ、永琳、ケツ穴、めちゃくちゃに犯すからなっ♥漏らさず耐えろよ?」
「だ、だm……おっごぉおぉおおおおっ!が、っげ、ぐぶっ、ヒ、おなか、破裂、すっ、がああぁぁぁああああっ!うごいちゃ、うごいっちゃだ、げぇぇっっっっっ!!!」

 他の4人がどんな風に私達を見ているのか、もはや気にならなかった。私は射精したい。永琳は腹の中のチョコクソをひりだしたい。それだけを見据えて、走り出した欲望を、お互いにぶつけ合う。

「トイレに行きたかったら、私を、終わらせてみろよっ♥ん♥射精っ、永琳の中にたっぷり♥こってりホワイトチョコ、ぶちまけたら、私も満足だから♥そしたらトイレにいっていいぞ♥トイレでたっぷり脱糞アクメきめていいぞ♥ちゃんとケツまんこ締めて、私をいかせたらな♥」
「っぐ、あ、あ゛、っげづぅ゛……しめゆ、しめゆから……っご、っほ!っは、はーっ、はーっ!」

 ケツ穴を締めるというよりは、もはやクソをひるためにいきんでいるみたいな状態だった。締りなどしない。ただ菊門がきゅうと狭くなるだけだ。私は竿がヒダに包まれるわけではなく摩擦を得られないものだから、カリ首が括約筋リングに触れてそれを刺激してくれるように、深くて長いストロークを決める。それは永琳の体に、相当苦痛のようだった。

「ご……ふっ……はーっ、はーっはーっ」

 腰を引き、括約筋の輪がカリ首をぐっと刺激したなら、また深く挿入して竿の根元まで擦る。それを何度も何度も繰り返して、徐々に射精感を高めていった。

「いいよ、永琳♥ケツまんこ、中どぷどぷになっててちんこ扱けてないけど、ケツ門だけ、すごくいい♥たっぷり射精するからな。さっきフェラして抜いてもらった分、もう回復しちゃってるからな。またあれとおんなじが、いいや、いま、すっごく興奮してるから、さっきのアレより大量に出るっ♥永琳のケツまんこに、大量射精♥チョコ浣腸に、ホワイトチョコも浣腸追加するからなっ♥はあっ、永琳、永琳っ♥」
「ぐ、げ……ぁ゛」

 もはや声も出ていない。ただ、何か一線を越えてしまった永琳の、失神寸前の苦痛顔の中には、どこか快感をない交ぜにした雰囲気が出ていた。苦痛に泣き、嗚咽を漏らしている苦悶の奥にで、しかし口角が上がり、潤んだ黒目は、快感のもの。
 それを認めてしまい、私は一気に射精感が高まってしまう。永琳が、見ているだけでも永琳が、可愛い。こいつに今、ちんこを突っ込んで、しかもケツの穴にぶち込んで、彼女はそれを受け入れている。あまつさえ快感を覚えている。
 そのシチュエーションを想像するだけで、快感が爆発しそうだった。

「はあっ、永琳、永琳っ♥永琳のけつまんこで、私、勃起チンポ、我慢できなくなってる♥射精したくてしたくて、精虫が睾丸の中で暴れちゃってるっ♥永琳の中にぶちまけたい♥ごめんな、ごめんな永琳っ♥こんなマゾ熟れ肉、放置プレイで腐らせちゃって、ごめんなっ♥だから、今、たっぷりケツ出ししてやるからっ♥私もたまりにたまったザーメン、今度は私の精虫製造タンクが空っぽになってしばらく勃起も出来なくなるくらいたっぷりだして、出して、出して出して出して、射精アクメ私もキめるからな♥可愛い豚永琳に、射精堕落した牝チンポ、入れてこすって、射精するからなっ♥」
「おっご……♥ふぎぃっ゛っ♥ざ、めん゛♥慧音のぉっ゛、こってりざーめんっ♥いっつもみたいに大量放精されたや、いま、されやら、んぶ、お゛ぇ゛っ♥破裂するっ、おなか、破裂、するっ♥でも、でもいいっ♥慧音の熟成ザーメン、私の熟れ残りケツまんこにたっぷりくれるなら、壊れれも、い゛い゛っ♥けいね、けいねけいねけいねえぇええっ♥♥」

 ぷしゃっ、ぼたぼた
 派手な音を立てて、永琳の尿道から、小水が撒き散らされた。いよいよ、下半身のいろんな筋肉を緊張させておくことが出来ず、弛緩を始めたらしい。じょろじょろ畳に芳しい泉が広がっていく。私の膝にもその生ぬるい黄金水が浸る。
 失禁した永琳を、しかし私はもう、そのことで責めることが出来なかった。私も、射精に向けて一直線になっていて、荒い息を吐き、腰を振って、全神経はペニスに集中されていた。

「あっ、ふぅうっ♥永琳、えいりんっ♥出るっ射精っ♥♥永琳のおなかの中のチョコレートに、私のホワイトチョコ、たっぷりブレンドっ♥するからなっ♥」
「ぢょう゛だい゛っ♥ざーめん、ぢょ゛う゛ら゛い゛っ♥♥♥」

 いよいよ、ペニスの付け根を力んで止めていた射精栓が、抜けた。一気にちんぽ管を駆け上がる特濃ホワイトチョコが、竿から亀頭へ、その流出刺激を腰まで響かせてくる。

「おぉオお゛ぉおお゛っ♥♥♥でてるっ♥射精してるぅっ♥ボテ腹豚永琳のアナルに、私の汚い溜りザーメンが、ありったけでちぢゃうぅぅぅっ♥♥♥」

 びゅるびゅるとチンポから振動が感じられるほどの勢いで放出される精液。ぱつんぱつんに張っていた永琳のボテ腹が、更に風船のように膨らむ。

「ぉぉお゛ぉお゛おぉオおぁおおぉお゛おおごおおおぉぉぉおぉ゛っ♥♥♥♥なからし、けつまんこなからしされ、んんっぎ、ぐげえええ゛ええぇ゛ぇえっ♥♥破裂寸前ぼてばらセックスで、わらし、イく、いく、いくいくいくいくいくいっくうぅぅううううっっっっっっっっっ♥♥♥♥♥♥」

 びくびくと、では生易しいほどの勢いを付けて、永琳の体が絶頂に跳ね回る。まるで断末魔みたいなアクメ痙攣のせいと、ありったけ精液を吐き出していったん収まりを見せようとするペニスのせいで、肛門から私の肉棒がずるりと抜け出た。
 そして、その瞬間、永琳の肛門はまるで蛇口の弁を一気に開放したみたいに、ボテ腹の中にたっぷりとたまって散々我慢してきたチョコを、噴出した。
 注入時にシリンジ内で泡立てた甲斐あって、その脱糞はチョコの甘い香りを漂わせながらも、ぶぼっ、ぶぶぶっ、っという下品極まりない音を立てて、断続的に噴出す。

「うけとり……きょひかよぉ♥」
「ご、ごめんなさい、食べきれない……けいね、ごめんなさいぃっ♥」

 それきり、永琳は糸が切れた人形みたいに動かなくなる。だが、肩だけは上下にゆれていて、ただ脱力して身動きが取れなくなっているだけだと見えた。

「はあっ、はあっ、あ、っく……あ」

 永琳の腸内に腹の底から一滴残らず精液を吐き出し、ペニスを抜き去ってぽっかりと空いたままになったケツ穴から満を持して噴出した茶色の本流が、射精後の脱力で腰を落とした私の頭の上から降り注ぐ。チョコの甘い香りが体中にぶちまけられ、何か混入されていたのかその香りはくらくらと酩酊のような感覚を差し入れてくる。
 ぶぶっ、ぶぼっ、と汚らしく攪拌され気体を混ぜた液体を噴出す下品な音を鳴らしながら、私にバレンタインチョコ第二段を見舞う永琳の顔は恍惚と赤く染まり、涙と涎をたらしながら至福の法悦に揺らいでいる。時折、お、あ、とうめく様な声を上げるが、その音一つ一つは性欲が貴腐したような色に染まっている。
 腹を膨らませるほど浣腸注入されていたチョコレートは噴出し、私をすっかりべとべとにするほどの量。だが、その奥に甘い香りとは別に、悪臭を漂わせる別の褐色ゲルが混じっていることに気が付く。鼻腔を抜け、悪臭と認識する欠片をおいていくその匂いは、しかし私にとっては芳しいもの。鼻を突き、肺の中で渦巻く糞便の香りは、チョコをぶちまけられてぬるぬるになった体の発情を更に高めてくる。

「つ、つぎ、私……!」

 まだ脱力から復帰できない私をよそに、脱糞アクメで欲情燃え盛る永琳の体を、今度は鈴仙が奪い取り、準備も断りもなく何かに脅迫されるように肉棒を挿入した。前の穴だった。

「おっ、ヒ♥」

 永琳は挿入の感触に甘い声を上げて、しかしその相手が私でも鈴仙でもどちらでも構わない様子で股間につきたてられた肉杭を飲み込み締め上げる。鈴仙は鈴仙で、私も因幡も見ている前だというのにも拘らず、なりふり構わず腰を振っていた。

「アッっ、ん!し、しょ、ししょおぉっ♥」

 股間から響く音は淫らを通り越して痛々しい。ただ乱暴に肉溝を穿り回すだけの、獣じみた性交渉。それでも永琳は喜びに満ちた声を上げてそれを受け入れ、喘いでいた。

「れ、れーせん……」

 因幡は因幡で、自分のパートナーが別の相手とセックスしていることへの嫉妬を露にしている様子はない。ただただ、鈴仙が性を貪り淫欲に墜ちて行く様を見て、私がそうであるように、暗い性欲を昂ぶらせている。

「てゐ。欲しい?」

 蓬莱山がその因幡に寄って、耳打ちする。因幡はどう答えていいのか分からずうろたえている様子。

「うどんげに、あっついの貰ってたんでしょう?もこも、結構、スゴイよ?」

 蓬莱山が妹紅を手招きして、因幡に、子供を諭すような優しく穏やかな声で悪魔の囁きをその耳元に置く。

「あ、え……」
「炎はな、蝋燭なんか、メじゃないぜ?」

 因幡の目の前で炎をともす妹紅。あれは、悪い癖だ。そして、ノリノリのときの様子だ。
 目の前で高温の炎を展開され、獣としての危機回避本能、恐怖心が暴れだして凍り付いている因幡。だが、その奥底で、鈴仙に調教された被虐欲の芽がしっかりと顔をのぞかせている。それを見抜いた妹紅は、まるで小動物のように小さくなっている因幡を、押し倒す。

「あ、あ」

 ちょろちょろと音が聞こえた。因幡が、失禁している。ああ、それは、妹紅が一番喜ぶ反応だというのに。
 パートナーを入れ替えて、乱交を楽しんでいる二組を目に、私はやり場のない欲情を持て余して、自分の肉棒に手を伸ばす。が、私の手に白く細い手が添えられて、それは制止された。

「余されちゃったね、私達」

 蓬莱山が、横に座っていた。

「すっご。これが永琳のバレンタインチョコかぁ」
「用意したのは鈴仙らしいがな」

 蓬莱山が私の頬からチョコを指で掬って口に運ぶ。

「あ、これ"チョコじゃない方"だ」

 それでも美味しそうに口の中で転がす蓬莱山。

「バレンタインデーの強制執行、楽しんでもらえたかしら」

 コケティッシュな笑みを浮かべる蓬莱山。

「こんな大惨事。これは、いつぞやに私と永琳が悪乗りした件への、仕返しか」
「仕返し?お返し、と言って欲しいわね。満足、したでしょう?」

 だが、私は。

「満足なんかしていない」
「えー。永琳と散々」

 といっている蓬莱山の視線を、私の股間へ促す。

「……慧音センセのこと、私、見くびってたかも」
「そうか」

 蓬莱山が、チョコと、糞便塗れの私の体に、覆いかぶさってきた。

「余され者同士、楽しみましょう?私、慧音センセのコレ、興味あるな。あの永琳が、あんな風に堕ちちゃうなんて」

 頭を殴られたみたいな、強烈な色香。私に覆い被さる体、その何処からコレが零れているのかは分からないが、溢れ出すような色気。誘うようなそれではない。惚れることを相手に強要するほどの、色香。まるでチャーム魔術のようだが、術式展開された様子はない。これが、絶世の美女と称された女。そして、妹紅と恋仲となった、女。

「私も、妹紅を虜にした女の体に、興味がある」
「ふふ、合意成立。このデカマラ、触ってるだけでぞくぞくする。火傷しそうに熱いし、すっごい牡臭い♥楽しませてね?」
「淫売姫が。ペニスなら何でもいいんだろう」
「そうね。割と、何でもいいわ。気持ちよくしてくれなきゃだけど」

 今のとこ、もこがダントツいちばんかな。
 付け足して、蓬莱山は私の唇にかぶりつきながら、月の方を向いたままの私のものを宥めに指を這わせてきた。

 天と地、月と地上が二分されている単純な構図が、しかしでかいばかりで何も成さないと思うようになったのは、この家に来てからだ。里で一人の夜を過ごし、たまに稗田の家に顔を出すだけの生活では、大局も瑣末も、どちらも知ることはなかっただろう。
 妹紅に会って人の温かさと守りたいという気持ちを知り、この家に来て今まで自分が喰らい作り積み上げてきたものがどれだけ重くて愛おしいものなのか、初めて認識した。
 この、爛れた永遠の中で、初めて歴史というものを積み上げていくその一文字一文字に、人々の極彩色の感情が詰めこめられていて、それゆえにこの永遠は楽しく、もっともっと謳歌すべきだと、初めて識ったのだ。

「メリーバレンタイン、慧音センセ?」
「誰かと同じせりふを吐いて。大きな世話だよ、全く」

 この屋敷の夜は、長い。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





ウ「チョコは、含まれるトリアシルグリセロール結晶相の分子構造によって
  その融点が変動するのはご存じの通りですが」

妹「しらねえよ」
永「あら、よく勉強してるのね、偉いわうどんげ」
輝「えーりんが褒めるから、うどんげが増長するのよー」

ウ「チョコはカカオバターによって作られ、
  カカオバターにはこのトリアシルグリセロールが多分に含まれます。
  このトリアシルグリセロールは不飽和度によって
  常温で固体か液体かの差がでるくらいに融点が違うんですが、
  カカオバターには、このトリアシルグリセロールが、融点のバラバラな多相で混在しています。
  だから何も考えずにカカオバターからチョコを作るとあまりおいしくないし、
  溶け方もまちまちでぼそぼそになります。」

慧「ためになるようでならんはなしだな」
輝「わ、私、来年はちゃんとうまく作るわ」
妹「失敗したのかよ」

ウ「よってチョコレートをきちんと作るときにはテンパリングを実施しなければなりません。
  これは一度すべてのトリアシングリセロール結晶を加熱して均一な液相へ相転移させた後、
  再度一定温度で結晶相へ戻すことで、
  トリアシングリセロールの結晶相を単一のものに揃えるためのプロセスです。
  その際にに融点を常温より若干上の相へ固定化することで食べやすくなるなど、
  市販のものについては、意図的な品質の空間的均一化がはかられます。
  あまり知られていないことですが、
  この市販チョコの品質向上にまつわるテンパリング技術は
  大規模で安定した品質を持たせる場合、非常に高度な技術となります。
  皆さんが何気なく食べているチョコレート、
  実はお菓子メーカー各社の企業秘密で出来ているんですよ。」

慧「どうでもいい。」
妹「そういうがな、慧音。炎を一定温度に保つのはめんどくさいんだぞ」
輝「あ、もこ今のテンパなんとかってのやったんだ?」
妹「か、簡単にだがな。うどんげが言ったような大層なことはしてないぞ。うん。」
輝「そっか、それしないとだめなのか……おぼえとこ……」

ウ「テンパリングを行う上で手軽なのは、
  トリアシングリセロールを液相にしたチョコレートをよくかき混ぜ、
  凝固核となる細かいチョコをその中にいれて再度かき混ぜる方法です。」

妹「あ、それだわ」
慧「よく知ってたな、そんなこと」
妹「しらべた。」
輝「ふ、ふうん。ね、ネットで調べられるわよね。」
永「姫、失敗したチョコを犬にやるのはやめてください。
  庭先で犬走さんがひっくり返ってましたよ」
輝「うそ!?そんなにおいしくなかったんだ」
永「犬にとってチョコは毒です。」
輝「え」

ウ「で、話を戻しますと、
  今申しました通りチョコの融点は
  含まれるトリアシングリセロール結晶相の分子間結合強度に依存します。
  実際にトリアシングリセロールの融点を左右する不飽和度は、
  トリアシングリセロール自体を構成する成分によって変わりますが、
  このチョコについては少々違います。」

慧「やっと前段終了か。話が明後日の方に来たが……」
輝「眠くなってきたわ。普通のチョコの作り方が聞きたいのだけど」

ウ「これからが、人里で売っているチョコと、魔法の加工を施した魔薬チョコの大きな違いです。
  このチョコでは、
  トリアシングリセロール結晶相の結合強度を向上するために別のノリを混ぜます。
  そのノリは結合強度を向上させるだけでなく加熱によって可燃性の気体となり、
  それによってこのチョコは融点の向上と蝋燭のような振る舞いを得ます。
  ジレチルフロギスターゼという魔精がその糊ですが、
  フロギストンという常温では気体相を示す可燃性元素を、
  氷元素の分子固定作用によって
  常温ではアルコールに近い振る舞いをする魔精化合物へ変化させたもので、
  これをチョコに混ぜると、融点が摂氏60度程度となります。
  通常のチョコが融点摂氏35度程度、
  蝋燭プレイに用いられる起源となったといわれる和蝋燭の蝋は融点摂氏60度程度。
  ちなみに蝋燭プレイには熱すぎて向かないと言われる
  白色の石油パラフィンでつくられる洋蝋燭は融点が摂氏70度程度と言われています。
  チョコにこのジレチルフロギスターゼを混ぜることで、
  このSM用チョコ蝋燭は完成したのです。」

妹「ねていいか?なあ、寝ていいか?」
輝「永琳、止めて、あれ、もうめんどい」
永「だめよ、うどんげ、薬の蘊蓄で商売が"出来ないくらい"止まらないの」
慧「なんだと」

ウ「なお、チョコレート、もといカカオには、
  恋愛時に分泌されるドーパミンの分泌を促すフェニルエチルアミン、
  カフェインと似た機能を持つテオブロミンという成分を微量に含みます。
  特に、このテオブロミンという成分は、
  自然界ではカカオとトキジクノカグノミにのみ含まれているという稀少な成分です。
  なんせ、天から与えられたもの、という意味の成分です。
  これらの成分によって、強心作用、覚醒作用とリラックス効果がもたらされ、
  特に恋愛状態にある時に分泌されるドーパミンの分泌を促す効果によって、
  媚薬の一種として用いられた経緯があります。
  但し、人間にはモノアミン酸化酵素という分解酵素が備わっており、
  これによってフェニルエチルアミンが脳へ届くことはほとんどないとされています。
  また、このモノアミン酸化酵素の働きが弱い人がフェニルエチルアミンを摂取した場合でも、
  単に偏頭痛を起こしただけだったとの臨床結果があります。」

永「犬はこのテオブロミンをうまく分解できないのです。
  犬走さん、かなり危険な状態でしたよ。どれだけあげたんですか」
輝「えっと、失敗した全部だから、500グラム」
妹「失敗しすぎだろ」
慧「しかも致死量。無理やり食わせたな……」
妹「あー、でもさ、頭が痛くなるだけなんだったら、何で媚薬だったんだよ。
  ただの眠気すっきりと胸がドキドキってだけだろ」

ウ「いいところに気がつきました。これは、私の仮説なのですが」

妹「……すまん、話を長くしちまった」
輝「いいわもこ、ねるときはいっしょよ」

ウ「初期にカカオを媚薬として用い始めた文明には、
  このフェニルエチルアミンを通常の摂取とは違う方法で脳へ届かせ、
  効率的に擬似恋愛感情を誘発させる特殊な処方があったのではないかと思った訳です。
  フェニルエチルアミンは脳内の特定の場所に極微量だけ存在して
  受容器のスイッチを押せばいいだけですから、
  むやみやたらに摂取してもだめなのです。
  フェニルエチルアミンの効果を向上させるのに、
  可逆的MAO-A阻害剤を使ってしまうのも手だったんですがやめました。
  これは単体で用いても生得体内にあるドーパミン受容量を見かけ上劇的に増やす効果がありますが、
  それならチョコである必要がありません。
  なんとかチョコのフェニルエチルアミンを有効に使うことに、
  支障から学んだ魔薬学を用いたかったのです。」

妹「Zzz」
輝「おきて!おいていかないで!」
慧「永琳……」
永「だめ、あの子ひっくり返しても説明をやめないの」

ウ「このSMプレイ用チョコ蝋燭の融点が魔術的化合によって高められていることはお話ししました。
  同様に、科学的な手法だけではなく、魔術的な方法を用い、
  体内でモノアミン酸化酵素によって迅速に分解されないように一時的な処置を施します。
  これにはこのチョコの融点が高いことが有利に働きます。
  つまり、熱によってフェニルエチルアミンを変質させ、
  血液中の別の成分を触媒として分解される別の成分を魔術的に作り上げ、
  それと混合しておけばよいわけです。
  これに適したのが89号カルボキシタラーゼで、
  モノアミン酸化酵素とは異なり、
  フェニルエチルアミンを活性状態のまま血液中で徐々にお互いに引き合う二つの別の塩基に分割します。
  血中で再度フェニルエチルアミンへ結合し直し、
  モノアミン酸化酵素に不可逆に分解されるまでには、
  十分に脳へたどり着く時間が稼がれているというわけです。」

輝「えーりんすごいわねー。
  こんなことひとりでずっとやってたのー。
  ばかなのー。
  おぼえるでしもでしだけどさー」
妹「輝夜、飯。
  腹減ったよ。
  誰だようどんげにこんなチョコどうやって作ったんだなんて質問したの。
  私か。すまん。」

ウ「熱によって分解されたフェニルエチルアミンは、
  このチョコにおいては経口摂取よりも皮膚への塗布によって吸収されます。
  テオブロミンも皮膚吸収可能となる状態で安定させておき、
  つまり、蝋燭プレイ中に効果が出る媚薬としての狙いを兼ねます。
  問題はフェニルエチルアミンの過剰作用が、
  適度なドーパミン分泌促進を超えて、幻覚症状や依存性を見せない程度に
  制御しなければならないことです。
  少々荒っぽい方法ですが、
  これには芥子や大麻などの麻薬効果のあるものを医学的処置に使用する場合の
  アフターケアでよく用いられる方法を採用することにしました。
  これらの薬品を呼吸器より摂取する場合には、
  同時にその効果をコントロールする術式を書き込んだ魔導紙を一緒に焼く護摩近法があります。
  燃焼によりその魔術回路がキックされるので、
  薬効アロマキャンドルや、向精神インセンス、シガレットメディスンなど、
  麻薬効果のある薬品の燻煙使用、吸引使用時には、近年かかせない方法になっています。
  市販の紙巻きたばこやシガリロにも広がりを見せていますね。
  ジレチルフロギスターゼを混ぜることで擬似的な可燃物に変成してあるだけの魔薬蝋燭チョコは
  燃焼性が悪く、普通の細い芯では炎を上げるほどの可燃性を持ちません。
  従って液化したチョコを多く高熱に晒し効率よく燃焼させるために、
  オイルランプのような太い芯を用いていますが、
  これにフェニルエチルアミンを誘導する燃焼トリガの術式を書き込んでおくのに好都合です。
  これにより、成分の吸収と術式の実行の間で機械的な同時処理を行います。
  なお、これは一般的な燃焼トリガ術式とガス吸引薬品の併用と同じ弱点も持っています。
  すなわち、燃焼トリガの術式は、
  空中でエーテルを消費して生じるマナ大気分解作用によって解釈・実行・解決されますが、
  そのために大気中のエーテルの供給量を一定量確保しなければならないことは、
  ガス吸引薬品の効率、つまり機密性と相反するのです。
  従って、このチョコでSMプレイをする場合には
  やはり頭痛を引き起こす場合がありますが、
  その場合、窓を開けるなりして通気性を確保すればよいわけです。
  以上、ご静聴ありがとうございました?」

妹輝「「心底どうでもいい!」」
永「そう、そうね、薬の効果だったのね。
  私が熱い蝋燭垂らされたりなんかで感じてしまうはず、ないもの」
慧「ま、まあ、技術と知識は師匠譲りってことだな」

ウ「っていうのはぜーんぶ」
て「うそウサ。」

輝「」
妹「」
慧「」








永「えっ」





終われ。

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