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【漫画】ヨルムンガンドとOrdinary±と、中毒性不快感

もう終わっちゃったんですけど、
「ヨルムンガンド」って漫画がとても面白かったです。

その流れで、
同じ作家の「デストロ246」って漫画を買いました。
それを買ったときに隣においてあった
「Ordinary±」もついでに買いました。



「デストロ246」の話はまた今度においといて。



「ヨルムンガンド」は
キャラも立ちまくってるし
名シーンみたいなの
いっぱいあると思うんですが
そんな中で一番好きだったのが

ヘックスでした。

ぽっと出って程のちょい役じゃないけど
準レギュラーってわけでもなくすぐ死んだキャラですが
あのキャラが大好きです。

言葉に直すと酷く陳腐になるので
あんまり直したくないんですが。



まあ説明しても伝わらないし
説明しなくても解る人しか
(貴方がそれをスキかどうかは別にして)
あのキャラのどこがいいのかのわからないだろうし
そうであれば言葉を重ねる意味はないので
説明しないですけど

あのキャラが大好きです。


キャラがよかったのもあったんですが、
私があのキャラに心臓をつかまれたのはその死に様です。
あまりに無残に無慈悲に、
そしてこれが一番の要素だと思うんですが
ココのアンチテーゼ(≒悪)
殊あの場面では主人公の仲間(アール)の弔い合戦で死ぬという
あまりに当て馬な悪役として死ぬところと
その死ぬ瞬間に「生きるのを諦めているあの描写」。

誰にも伝わらなかっただろうが小さく強い信念の下に行動して
誰にも伝わらない裏切りへの憎しみ
強烈なキャラクターを抱えたまま
単なる悪役として死んでいく。

勿論見方を掘り下げれば、
国家という大きなものに踊らされた悲劇や
これからココがそれを空から(ヨルムンガンドで)覆い尽くしたいと願う
より大きな敵役を描くための覗き窓としての立ち位置はあったのだろうけど
多分アールの敵討ち、ヘックスの強烈なキャラに
そんな遠大なテーマは消し飛んでいたと思う。


洞窟に逃げ込んで脱出の機会を覗うところに
爆撃機による空爆。
すさまじいオーバーキル。
それを見上げたときのヘックスのあの描写が痺れすぎてやばかった。

あたかも
「国に裏切られ、それでも国に尽くした筈なのに、私はどこで間違ったのだろう」
という兵士の慟哭にも見えるし
「私は間違っていない。
ココ・ヘクマティアルを殺すまで、私は終わらない。
今は諦めて死ぬが、お前を食い殺すまで、死んでも終わらない」
という狼の咆哮にも見えるし
その様が「魔女」たる所以が伝わってくるかのようで
その話を読み終えた後
何回もページの中でヘックスを殺し直した。




んで。



「Ordinary±」。

デビュー作だからなのかよくわからないですが
正直言って、
本全体を通して
掴み所のない話だなあと思って読んでいたのですが
数ページだけ強烈に残ってるシーンがあります。

晴夏が死ぬシーンです。

電話が切れたところでもう死を覚悟してる。
それでもやらなきゃいけないことがあるといって
死にかけの男に想いを告げて
伊万里に戦いを挑んで

結局、一撃喰らって取り乱して
(伊万里は"誰だって恐ろしいから"と言って、
晴夏の乱射を恐怖からのものとしているけれど
乱射してる時の晴夏の顔は、恐怖に染まっていない。
むしろ怒りをむき出しにした表情。)
乱射で全弾撃ち尽くした後の


あの棒立ちと表情。


絶望を通り越してる。
なんだろうあの1ページ。

その後のシーンで見事に首から上が消し飛んでるんですが
何度も

「これは肩に当たってるんじゃないのか。
頭じゃない死んでない描写を探せ」

とそのコマをくまなく探したんですが
それが逆に彼女の死を自分に思い知らせてしまって。


「一番らしくないヤツが」
という台詞の通り
そこまではあんまり印象が強いキャラじゃなかった。
影が薄いといってもよかったので
読んでいてまったくノーマークだったのに

その10ページにも満たないやり取りと
死に方(とあの棒立ちと表情)があまりにも鮮烈で
男に想いを告げたとかぶっちゃけどっか消えちゃって
その死に方だけあんまりにもあんまりにもつよくて。

そこから先の話は流し読みして急いで本を閉じた。



読んでられなくなったんですよね。



ヘックスが死んだときは何度も何度も死に様を繰り返したけれど
こっちは暫くこの本を開けなかった。

先にも書いたけれど話は殆ど想い出せなくて
でもこのワンシーンだけ強烈過ぎて



暫くこの本を読めなかった。



開くと絶対にあのページを見てしまう。
あのページは見たくない。見たら不快になる。
でも絶対に見てしまう。見てしまう。
だから開けなかった。


今日ようやくもう一度ちゃんと読み直せて、
他の部分の話もきちんとさらったところです。







恐らく強烈な不快を感じたんだと思う。

ヘックスの死に方にしろ
晴夏の死に方にしろ
主人公のアンチテーゼとして据えられて
「魅力的」で「無様」な死に方を与えられ
彼女達もそれを上等巧く演じて見せてくれた。

救い様のない
別解釈を持つことも出来ない
完膚なき
美談にならない死に方。



その死に直面したときの彼女達の表情がたまらなく好きだ。

サディスティックな意味ではなくて
思い出すだけで目が細まって眉をしかめてしまう悲愴感
そしてこのむかむかと胃の中で煮えくり返る不快感





ああ、こういう不快な話を書きたい。
ただ悲しいのではなく
悲しみを美談にする余地を積極的に排斥する
不快極まりない悲しみを書きたい。



「こんなもの読ませやがって!!!
作者何考えてるんだ死んでしまえ!!!!」



って
一旦は本を叩きつけても
その後ずっと烙印のように残って
治ってきたひりひりが心地よくて
また開いてしまう
そんな痛いモノを作りたい。



そこまで巧く文字を扱えるようになりたい。
絵は、まあ、望めるなら。

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